今回取り上げるのは島根県の県庁所在地であり、行政やビジネスの中心地である松江市。市内には宍道湖や中海など大きな湖が位置する立地的特徴があり、市街地を大橋川が横断することから、水の都とも呼ばれている。出雲市と並んで島根県を代表する観光地である。以下に松江市のマーケットポテンシャルと島根県の観光マーケットを見ていこう。
文殊リサーチワークス http://monju-rw.com
1. マーケットポテンシャル
松江市の人口は20 万2906 人(2019年)で、島根県内の人口シェア29.6%を占め、県内で最も多い人口を有している。その他の県内主要都市を見ると、出雲大社を有し、観光客も多い出雲市が17 万5790 人、人口シェア25.6%で続いている、この2 市のみが県内における人口10 万人以上の都市となっている。島根県は松江市と出雲市の二極構造と言えるだろう(図表1)。
増加率(19 年/ 14 年)を見ると、県内主要都市は出雲市以外全般的に減少傾向で、おおむね5 ~ 7%の減少にあることが分かる。その中で松江市は▲ 1.2%の減少で、県内主要都市においては比較的減少幅が低い方と言えるだろう。出雲市のみ1.6%の増加傾向となっており、県内主要都市では最も成長性がある都市である。
島根市の年齢構造を見ると若年人口比率は18.8%、適齢期人口比率は22.8%となり、若年人口比率は全国値(18.0%)を上回ったが、適齢期人口比は全国値(25.1%)を下回った。その他の県内主要都市を見ると若年人口比率は出雲市が18.9%で松江市と同じく全国値を上回っている。全国値以上の都市はこの2 都市のみで、それ以外の都市はすべて全国値を下回っている状況だ。適齢期人口比率は県内主要都市すべてにおいて全国値を下回っている。また、高齢者比率(65 歳以上人口比率)を見ると、松江市は24.8%と全国値(23.0%)を上回っており、県内主要都市すべてが全国値を上回っている状況である。30%を超える都市も多く、県内の高齢化が進展していることが分かる(図表2)。
将来推計人口を見ると松江市はすでに減少フェーズに突入しており、2040 年ころには2010 年ベースから約20%減少するとみられている。その他の県内主要都市を見ると、将来的には2010 年ベースの60 ~ 80%程度になると思われる。松江市と出雲市が比較的人口規模が維持できると推計されている。将来的にも松江市が県内で最も多い人口規模を有することに変化はなく、今後も島根県内において最も高い人口ポテンシャルを維持する。県内主要都市の人口規模順位は将来的にも現在と大きな変化はないと考えられる(図表3)。
----
※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入、または電子版有料版にご登録いただけますよう、お願い申し上げます。
2020年8月7・14日号ご注文フォームはこちら
https://ec.hoteresonline.com/products/list.php
----
2020年8月7・14日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル
観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《松江市編》
【月刊HOTERES 2020年08月号】
2020年08月12日(水)