配ぜん業務はホテルと一心同体、近い将来の回復のためにともに乗り越えてほしい
ホテルの宴会や結婚式、レストランなど対面サービスに欠かせない配ぜん業務。従事者の福祉増進とサービス向上を図り、配ぜん人紹介所の健全なる発展を目的に厚生労働大臣許可の元、運営しているのが(一社)全国サービスクリエーター協会、通称「AJCC」だ。歴史は昭和29 年にさかのぼる。そこで今回は十二代会長として協会を率いる佐藤昭彦会長にご協力いただき、新型コロナウイルス感染にともなう取り組みや課題などをお聞きした。
(一社)全国サービスクリエーター協会(AJCC)
会長 佐藤昭彦氏((株)昭栄スタッフ 代表取締役)
東京都杉並区出身。平成7年4月(株)ホテルオークラ東京退社後、(株)昭栄配ぜん人紹介所入社。平成22 年4月代表取締役就任。令和元年10 月、50 周年を迎え、(株)昭栄スタッフに会社名変更。平成13年4月全国サービスクリエーター協会理事就任。平成24 年4 月副会長就任。平成28 年4月“ 一般社団法人” 全国サービスクリエーター協会に改組。社団法人第一期会長就任・令和2年4月現在3期目となる。平成21 年12 月 社会保険労務士資格取得
AJCC 事務局:東京都台東区下谷2-15-12 浅井下谷ビル6 階
TEL:03-5808-7375
URL:http://www.ajcc-net.jp
紹介、派遣ともに収入の見通したたず
■ホテル運営において配ぜん業務は欠かせない存在であり、多くのホテルがかかわっている業種ですが、改めて協会の業内容をお聞かせください。
配ぜん業務従事者の福祉増進とサービス向上、配ぜん人紹介所の健全なる発展を目的に、調査並びに指導や関係各庁および関係団体との連絡協調、会員に向けた研修や親睦に関する事項などを目的達成のために実施しています。現在、全国7 ブロックにて活動しています。
また、サービスクリエーターの教育にも力を入れております。昨年度は、当協会の相談役、副会長が執筆された教育テキストを協会加盟紹介所へ送付いたしました。テキストに関連したサービス実技動画集も協会ホームページに掲載し、浸透と活性化を図っています。
■ 4 月8 日、7 都府県に発令された新型コロナウイルス感染にともなう緊急事態宣言、そしてゴールデンウィークを前に対象地域が47 都道府県に制定される中、ある意味、ホテルと一心同体である配ぜん業務も厳しい局面にあります。
配ぜん業務に関する紹介業は厚生労働大臣許可のもと、運営しております。5 月現在、ここまで新型コロナウイルス感染にともなう影響が響くとは2 月、3月の段階では予測ができなかった状況です。日に日に状況が変わっていますが、4 月、5 月、そして6 月にまでおよぶ集宴会の中止や延期は配ぜん業務で生計を立てている従事者にとっては経済的に厳しい状況にあります。配ぜん業務は紹介そして派遣の2つの選択肢がありますが、特にホテル側が雇用する紹介においては、急激なホテルの売り上げダウンという局面において雇用継続ができないという声が高まっています。
■雇用されている側は収入面で守られているのですか。
労働者である配ぜん人はホテルが休業中であっても労働基準法に定められた休業手当(平均賃金の60%以上)の補償を受け、雇用を維持していただいております。紹介事業者は求人申し込みの激減により、現状、まったく収入を得られない状況ですので、協会として会員企業が健全に運営できるようにするために、どのような対応すべきかを課題としております。
■ホテルとの雇用契約をされている方、また派遣として登録されている方の声はいかがでしょうか。
基本的にサービス業が好きで配ぜん業務を行なっている者が大半ですので、休業手当を受けながら、緊急事態宣言から解放されるのを待っています。声を聞く限り、皆、比較的元気な様子であったことにホッとしています。派遣登録は外国人も多く含まれています。外国人雇用に関するさまざまな障壁はありますが、人材確保のために国内外問わず引き続き募集を進めていきます。経営的には実状各社ともに厳しい現状ではありますが、紹介も派遣業ともに、いつかは緩やかながらに回復していくであろう集宴会やそのほかの事業における需要の増加を見込み、求められる需要に対応できる配ぜん人の供給のためにも、協会会員各社、人材確保のために先行投資を続けております。