南京市内上空
HOTERESスタッフがお届けする新型コロナウイルス関連のニュース。今回は栗山がお送りします。
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850万都市南京における隔離政策、そしてホテル・自治体の対応は
南京市は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の震源地とされる中部・武漢から約300kmしか離れておらず、立地として極端に不利な状況下に置かれていた。ここから被害拡大を抑え込んだ背景には、SARSによる痛切な被害を受けた同都市の歴史と、それを踏まえた自治体と市民との意識の高さに挙げられるようだ。
キーワードとなるのは①中国への入国者を感染の有無に関係なく防護服着用のうえホテルで隔離、②AIロボットが薬を運搬するなど、SARSを教訓とした病院・医療体制、③市民の協力、の3点となるが、ここでは①における自治体とホテルの連携について記す。
感染防止の政策として特筆すべきなのは、徹底したホテル隔離政策だ。中国は2020年4月4日現在、外国からの訪問者は基本的に入稿禁止だが、海外から帰国する中国人留学生などは入国可だ。帰国者は感染者でなくとも全身防護服を着用し、帰国後に隔離ホテルへバス送迎される。二次感染を防ぐためだ。隔離されたホテルには数人の専門医が24時間体制で駐在し、市の担当者も10数人が同じホテルに泊まり込み、帰国者のケアに従事する。彼らも感染者と接するリスクがあるため、原則的には帰宅できず、現体制になってから2カ月間ものあいだ隔離ホテルにて泊まり込みで働いているという。
南京市の担当者によると、この2カ月間、担当者が南京市内の50軒以上のホテルと一軒一軒交渉し、半分以上にホテルに断られながらも、最終的に10数軒から隔離ホテルとして提供してもらう同意を取り付けた。また、特に政府からホテル側への補償金はなく、隔離者からの宿泊料のみで賄われているという。多くのホテルオーナーは、社会的責任を果たすために隔離ホテルとして提供しているという。
(次回に続く)
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