HOTERESスタッフによる新型コロナウィルス関連ニュースの第10回。今回は臼井よりマーケットデータの前編としてお届けします。
各エリアのホテル協会に現在取材中であるが、現時点で回答をいただいた平均客室稼働率・ADR(客室平均単価)・RevPAR(販売可能客室1日1室当たりの売上高)の20年3月・4月の実績ならびに、5月稼働予測は次の通り。
●東京エリア 客室稼働情報
東京都内170の宿泊特化型ホテルが加盟している「東京ホテル会」。20年3月平均は客室稼働率38.0%(前年月92.0%)、ADR 7,910円(前年月11,712円)、RevPAR 2,823円(前年月10,756円)。4月平均は客室稼働率21.4%(前年月93.3%)、ADR 7,338円(前年月12,915円)、RevPAR 1,421円(前年月12,027円)。
RevPARの前年月比で3月▲73.8%、4月は▲88.2%と多大な減少結果となってしまった。なお、加盟170ホテルのうち約3割が休業状況であり、代表世話人の高部 彦二氏によると、エリア別RevPARでの落ち込みはインバウンド送客に依存をしていた銀座地区と浅草地区の落ち込みが激しく、5月と6月の東京全体の稼働状況は4月時点よりもさらに悪化することを予測しているとのこと。
《20年3月 東京データ》
稼働率 38.0%(前年月差 ▲54.0ポイント)
ADR 7,910円(前年月比 ▲32.5ポイント)
RevPAR 2,823円(前年月比 ▲73.8ポイント)
《20年4月 東京データ》
稼働率 21.4%(前年月差 ▲71.9ポイント)
ADR 7,338円(前年月比 ▲43.2ポイント)
RevPAR 1,421円(前年月比 ▲88.2ポイント)
●名古屋エリア 客室稼働情報
名古屋地区69のホテルが加盟している「名古屋ホテルズ会」。20年3月の客室稼働率は35.7%(前年月83.4%)、宿泊総人数165,375人(前年月377,499人)インバウンド宿泊者数6,325人(前年月82,594人)。4月の稼働率平均は15.4%(前年月89.4%)、宿泊総人数48,028人(前年月423,017人)インバウンド宿泊者数469人(前年月105,407人)。※4月データは最終集計のものではなく、5月8日取材時点での集計途中段階のもの。
宿泊総人数において前年月比で3月▲56.2%、4月▲88.6%の人数減であった。会長の船橋 誠氏によると、加盟ホテルのうち約3割が現在休館状態であり、シティホテルクラスの4月平均稼働は12.3%(前年月比87.0%)でさらに苦境に立たされている状況とのこと。オンハンドの予約が乏しい5月は4月以上に厳しい状況下にあり、6月もこの状況が続くと予測している。
《20年3月 名古屋データ》
稼働率 35.7%(前年月差 ▲47.7ポイント)
宿泊総人数 165,375人(前年月比 ▲56.2ポイント)
インバンド宿泊者数 6,325人(前年月比 ▲92.3ポイント)
《20年4月 名古屋データ》
稼働率 15.4%(前年月差 ▲74.0ポイント)
宿泊総人数 48,028人(前年月比 ▲88.6ポイント)
インバンド宿泊者数 469人(前年月比 ▲99.6ポイント)
●全国3月時傾向
小誌「週刊ホテルレストラン」の稼働率独自調査においても、全国20年3月(今回、アンケート回収困難により件数55ホテル対象)は稼働率40.1%(前年月84.1%)、ADR 10,004円(前年月 11,945円)、RevPAR 4,012円(前年月10,046円)とRevPARにおいて60.1ポイント減の結果となった。※20年4月分は集計中により後編レポート時に掲載予定。
全国客室マーケット情報・前編
4月の客室売り上げは前年月比9割減の結果に、 5月・6月はさらに厳しい見込み
2020年05月12日(火)