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日仏会館開催

日仏シンポジウム「食を考える―パリは燃えているか、パリはまずくなったか!」開催

2015年06月25日(木)
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TMF日仏メディア交流協会主催、日仏シンポジウム「食を考える―パリは燃えているか、バリはまずくなったか! 」が6月19日、(公財)日仏会館で開催された。
 
池村俊郎TMF副会長(元読売新聞パリ支局長)をファシリテーターに、フレンチ割烹「ドミニク・コルビー」オーナーシェフのドミニク・コルビー氏、服部栄養専門学校校長 服部幸應氏、フランス料理文化センタ- FFCC事務局長 大澤晴美氏といったそうそうたる顔ぶれがそろい、ともにユネスコ無形世界文化遺産になった「フランス料理」と「和食」について、いま双方の国民が食している料理は、どうなのか…といった意見が交わされた。
 
 フランスでは星付きレストランはともかく、特に観光地のパリの大衆レストランの味が落ちているという。それは街場のレストラン、ビストロ、カフェのレベルも大差なく、中にはおいしいとは言いがたいものも。また従来の高額コースでの提供から、徐々にではあるがガストロノミーの存在も増えつつあるという。
 
 大沢氏によれば「かつてエスコフィエが牽引したことで、真のフランス料理の味が世界中に広まっていった」。ところがいま、パリの料理レベルが落ちているという噂がまことしやかにささやかれているが、それが事実ならばパリ市民の味覚が低下していることにもつながる。フランスでは、フランス料理の職人を育成するための仕組みを構築し、遺産(消えてしまったもの)とならぬように施策を繰り広げている。こうした取り組みは日本料理(和食)にも必要なことで、服部氏は「日本全国でそもそも“おふくろの味”が消えつつあることが心配」と発し、日本の食文化の現状について一石を投じた。また、「かつてSOPEXA(フランス食品振興会)がフランスの食材をしっかりと日本へ浸透させてきたように、日本の食材もまた、だしのひき方を含め素材の成り立ち、管理方法、そして諸外国とは硬度の異なる“日本の軟水”などもていねいに伝えていく必要がある」。来日して22年というコルビー氏は「個人的にも和のエスプリを生かしたフレンチ割烹をオープンさせたが、パリの日本料理のマズさは辟易(へきえき)する」。世界中で5万6000軒ある日本料理店のうち日本人が経営しているのは1%足らずということを思えば、食文化を正しく伝えるために不可欠な要件は、食材の情報と職人の数と改めて唱えた。


左からファシリテーターの池村俊郎TMF副会長、服部幸應氏、大澤晴美氏、ドミニク・コルビー氏

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