■北前船ゆかりの酒田市
山形県は庄内平野、新庄盆地、山形盆地、米沢盆地、を中心として古くから農業が盛んな地域だった。そこで豊かに実った農産物を江戸や大坂に運ぶのに北前船が活躍した。酒田港は江戸時代の政商、川村瑞賢が1672 年ごろ、最上川を下って酒田港から大阪まで米を運ぶため「西回り航路」を開拓し、繁栄を極めた。北前船の交易により、「西の堺、東の酒田」と言われた。酒田からは北前船で米以外にも山形地方特産の紅花も運んでいる。華やかな京友禅は紅花なしでは成り立たなかったとも言われる。また、帰り船にはその紅花で染められた豪華な京のひな人形を始めとする京都の品々が到来したが、それと同時に京都の文化そのものも運ばれてきたのである。
■第1 次産業比率が高い
当県の面積は9323.5㎢で全国9 位とベスト10 に入る大県である。人口は114.5 万人と小ぶりで全国35 位。年齢構成を見ると、14 歳以下の幼年人口12.4%、生産年齢人口58.7%。老年人口28.9%となっており、若年層が少なく高齢者が多い。県民分配所得は2.8 兆円で全国36 位。東北地方では最も低い。一人当たり所得は240.3 万円で全国34 位とかなり低いが東北では宮城に次いで2 位。産業別では、1次産業3.6%、2 次24.5%、3 次71.9%で、全国平均と比べると1 次産業比率が高い。第1 次産業比率は鹿児島と並んで全国第5 位。一人当たり工業生産額は206.6 万円で全国24 位と健闘している。
■ホテルの伸びは高い
飲食店は09 年で6423 店ある。内訳を見ると、食堂レストランは821 店で12.8%を占める。専門料理店は1594 店で24.8%。その中では、中華料理店が多く706 店で11.0%を占める。次が日本料理店で413 店、6.4%と続いている。その他、そば・うどん店は465 店(7.2%)、すし店は270 店(4.2%)ある。遊興飲食店の酒場ビヤホールは1345 店(20.9%)、バー・キャバレー・ナイトクラブは1492 店(23.2%)と両者あわせて44.1%と全体の4 割5 分を占める。そのほか、喫茶店は297 店(4.6%)、ハンバーガーその他の飲食店は119 店(1.9%)となっている。09 年の調査から分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は308 店ある。2012 年のホテル数は135 軒、客室数は8258 室ある。90 年からの伸び率を見るとホテル数は全国の82.3%に対して125.0%、客室数は105.1%に対して126.5%と、ともに全国平均を上回る。
※このほか本誌では経済的地位、年齢区分、工業統計、飲食店動向、県庁所在地の世帯あたり年間外食支出、都市別商業動向、外食チェーン出店状況、婚姻・離婚動向、各都市の人口増減率と小売販売増加率との相関、各都市の人口推移、長期商業統計、温泉地宿泊者数、ホテル・旅館数、観光・行楽活動参加率、各都市の人口一人あたり小売商品販売額を掲載しています。
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【月刊HOTERES 2015年06月号】
2015年06月18日(木)