アコーホテルズは、昨夏にFRHI ホテルズ&リゾーツを買収してラッフルズとフェアモント、スイスホテルを傘下に収め、ラグジュアリー事業に本格参入。20 以上のブランドとなり幅広くポートフォリオが強化された。世界最大級のネットワークを着々と広げる中、東京・芝浦(田町)の再開発計画に参画し、注目ホテル「プルマン東京田町」や「イビス大阪梅田」の開業準備を進めるなど、日本でも攻勢をしかける。最高グローバル開発責任者のGaurav Bhushan(ゴーラブ・ブシャン)氏にアコーホテルズの魅力と展望について聞いた。
アコーホテルズ 最高グローバル開発責任者 ゴーラブ・ブシャン 氏
充実のブランド構成で
幅広いジャンルに対応
❒ ラグジュアリー事業に本格参入した手ごたえは。
もともとエコノミー型とミッドスケール型が強いのがわれわれの特徴でしたが、ラグジュアリー型が世界の客室数のうちの40%を占める今、世界最大級のホテル企業として、かねてラグジュアリーを強化したいという野心がありました。
昨夏にラグジュアリーの世界的アイコンであるフェアモントとラッフルズ、スイスホテルを傘下に収め、ロンドンのサボイやNYのプラザホテルなどもポートフォリオに加わり、ラグジュアリーの世界的リーダーとして大きく前進しました。グループとしても総合力を増し、ラグジュアリー、アップスケール、ミッドスケール、エコノミー、ライフスタイルといったあらゆるジャンルのホテルがワンストップでご提供できるようになりました。
レンタル事業でもプライベートな高級レンタル住宅経営のトップであるOne finestay 社や、こちらもラグジュアリー系のTravel keys 社をグループに引き入れ、世界的な流通網と人的サービスを駆使しながら成長を続けています。
❒ 選択肢が増えた中で特に力を入れていきたい分野は。
今後特に力を入れていきたいセグメントが二つあります。一つが今申し上げたラグジュアリー、そしてもう一つがライフスタイルです。いずれも新しいタイプの商品を市場に投じることにより、常に革新性をもって強い存在感を示し、ヨーロッパ、中東、アジア太平洋地域において競争力を付けながらアメリカ系ホテル企業と対抗する狙いがあります。
ライフスタイル型の主なターゲットは、世界の旅行人口の2 割を占めるとされるミレニアル世代です。彼らはさまざまな新しい体験を待ち望んでおり、そうしたニーズに応える商品づくりは今後のカギを握るものと思われます。
ブランドとしては「JO & JOE」と「MAMA シェルター」などが非常に好調で、ホテル市場に新しい流れを生んでいます。いずれも革新的かつ独創的なライフスタイル型で、料金体系はターゲットに合わせて値ごろ感を意識しています。
JO & JOE のホテル名にあるJO とJOE は、世間一般でよくある典型的な名前で、体験型かつとてもカラフルで鮮やかなデザイン、かつユニークなモバイル・コンセプトが特徴です。ベッドはすべて車輪付きで移動でき、ニーズによってベッド数も変幻自在なので、極めて双方向的かつデジタル的な面白みがあります。バーはホテルの利用客と地元の人々が交流する場としても賑わいます。1 号店は南フランスに、続いてパリやロンドンにも出店予定です。
MAMA シェルターも、宿泊客のみならず一般の方も簡単に利用ができる交流の場となっております。パブリックスペースは新しいアイデアを提案するデザイナーたちが作った、他にはないスタイリッシュな空間で、フレンドリーなサービスを提供します。宿泊客はもちろん、地元の方も集まる自慢のFB を備えています。ドイツ、フランスなどで好調で、近々ドバイやバンコクでもオープンが予定され、名実ともに国際ブランドとして推し進めていく計画です。