地域食材の魅力を生かしながら、 プリンスホテルならではの料理を創造 軽井沢プリンスホテルが実践する「おいしさ」と「安全・安心」
プリンスホテルを代表するリゾートホテルの一つ「軽井沢プリンスホテル イースト」が2017 年7 月12 日にリニューアルオープンした。新たにミレニアル世代と言われる若年層や外国人もターゲットに取り込むとしている。ザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、および、軽井沢プリンスホテルという、軽井沢駅の南に広がる「プリンスグランドリゾート 軽井沢」内の全ホテルの食を統括する総料理長の北爪雅信氏に、「食品の安全・安心」を第一に掲げる同社の姿勢と今後の方針を聞いた。
今回、ホテル棟の70 室の客室、エントランスなどパブリックスペース、および二つのレストランをリニューアルした「軽井沢プリンスホテル イースト」。従来のターゲットであるシニア層に加え、国内外の若年層や40 ~ 50 歳代のアクティブな女性など情報感度の高い層も積極的に狙っていくという。こうした、リゾート滞在をライフスタイルの一つとして楽しむ層にとって、信州、軽井沢ならではの自然体験や食体験も大切な要素となる。
今まではコース料理が主体であったメインダイニングを、朝食からバータイムまで通しで営業するオープンキッチンスタイルのオールデイダイニング「All Day Dining KaruizawaGrill」に変えた。「大地の力、信州の恵み」をコンセプトに、信州産食材を使った小皿料理やピザ、窯焼きのココットなど特徴のあるアラカルトメニューを増やし、グループやファミリーでシェアしても楽しめるようになった。バーカウンターも設け、一人でも気軽に利用できる。
食の宝庫である軽井沢周辺や長野県産の食材も安全面をクリアしたものは積極的に取り入れている。
殺菌済みの液卵ならばスクランブルエッグも安心して提供できる
「当社では、まず〝食品の安全、安心″を第一に考えております。品質管理部の指導の下、食中毒、異物混入、アレルギーなどの事故防止に全力で取り組み、加熱調理は何℃で何分ということから、1 日に複数回の冷蔵庫の温度確認、期限切れの提供をなくすために入荷、開封や解凍などの日付と時刻のチェック、スタッフの体調まで、万が一、何か事故が起こった時でも迅速に原因追及や対応ができるように、記録も欠かしません。味のクオリティを上げていく基本だと思っています」(北爪氏)
できるだけ多くの食材を取り入れたいという希望もあるが、同社の厳しい安全基準をクリアする食材を探すのはなかなか容易ではないようだ。
「例えば朝食の卵料理用の液卵のように、一度に大量に使う食材には特に注意が必要です。どんなに衛生面に気を配って殻からを割ったとしても、サルモネラ菌が卵液に混じる可能性はゼロではない。さらに割った卵を調理する前に卵殻の混入防止のために濾こ すという手間もかかります。殻の廃棄の処理費用などまで含めて鑑みると、少し割高になったとしても、殺菌済みで衛生面に優れたキユーピーの冷凍卵は好ましいと考えています。もちろん、解凍、開封してから一定の時間内に使うということは徹底しております」(北爪氏)