世界有数のIR 企業の一つ、アメリカのMGM リゾーツ・インターナショナルが日本IR 市場参入に本腰を入れ始めた。同社はIR 事業における高いエンターテインメント性と卓越したホスピタリティーにより近年大きく成長を遂げており、2017年版のフォーチュン誌では「世界で最も称賛される企業」リストにも名を連ねる。会長のジェームス・J・ムーレン氏は、IR から派生するさまざまな視点が日本経済に新しい流れを生み出すだろうと予測する。
MGMリゾーツ・インターナショナル 会長 兼 最高経営責任者 ジェームス・J・ムーレン氏
インバウンド市場の
新たな需要を喚起
〓まずは御社の全体像をお聞かせください。
MGM リゾーツ・インターナショナルはアメリカ最大のIR 企業の一つです。創設者のカーク・カーコリアンはラスベガスを作ったと言われる人物の一人で、エンターテインメントを事業の母体にし、長年に渡って映画製作所のメトロ・ゴールドウィン・メイヤーを保有していたことでも知られています。
アメリカの主要都市をはじめ、マカオ、中国本土、中近東に合わせて18 のホテルとリゾートを保有し、およそ7万7000 人の従業員を抱えています。われわれが運営する施設を会場にしたシアターやスポーツやコンサートといったイベントを通して、昨年にはおよそ800 万枚のチケットを販売しました。
また、われわれはアメリカ最大のMICE(マイス)市場であるラスベガス屈指のMICE 会場運営者でもあります。節電や省エネにも積極的に取り組み、いずれの施設でも最高レベルの持続可能なスタンダードを追求しており、北米髄一の緑化プロジェクトも手掛けています。
さらに、しばしば地域最大の雇用主となり、地域コミュニティーの中心的存在としての誇りと自覚を持つとともに、地域活性策の一環として中小企業に積極的に投資し、コンソーシアムや事業パートナーとして多種多様なビジネスをサポートしています。学術機関や医療機関、非営利団体などとも密接にかかわりながら事業を展開しています。