ここ最近、旅行・観光関連業界では健康の維持・増進を主たる目的としたヘルスツーリズムに強くスポットが当たり、これに取り組んでいるホテル等宿泊施設や自治体が増えている。
この現象の背景として①90年代後半から続いている健康ブームが定着したこと、②メディアから発信される健康関連情報の氾濫によって消費者の知識水準が底上げされ、「健康に投資することは有益である」というコンセンサスが浸透したこと、③医療費の削減と地域活性化を実現したい行政の思惑を反映した消費者への啓蒙活動や健康関連産業の活性化推進活動の効果などが考えられる。
すなわち、健康にいいサービスを提供するビジネスが成立しやすい環境がマーケット・制度整備の両面で急速に整いつつある状況なのである。
そして、「健康」という概念は非常に裾野が広いため、フィットネス・スポーツ関連はもとより食材関連、飲食関連をはじめ多種多様な産業の事業者がこのタイミングを好機ととらえ健康関連ビジネスに乗り出している。
そして、ホスピタリティ産業と「健康」の親和性は極めて高いことから、ホテル事業者においても今後急激に健康関連サービスを充実させていく方向性が強まると推測される。
そこで、今号では「今“健康”を意識するホテルが増えているわけ」と題して、今話題のヘルスツーリズムを中心に、その定義や日本における現状と課題について概説するとともに、国内の代表的事例と一部メディカルツーリズムやシニア事業とリンクした新たなビジネスモデルに取り組んでいるホテルの事例を紹介する。
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