2016 年11 月1 日、インバウンドで活気づく大阪・道頓堀に「ホリデイ・イン大阪難波」(大阪市中央区宗右衛門町5-15。前身は2008 年開業「ホテルビスタグランデ大阪」)がリブランド開業を果たした。ホリデイ・インは世界70 以上の国と地域で1100 以上のホテル(20 万室以上)を展開するグローバルブランドであり、ここ道頓堀で国内5 番目の開業となる。運営会社は、IHG とANA の業務提携により2006 年に設立されたジョイントベンチャー企業で、国内で33 ホテルを展開する、IHG・ANA ホテルズグループジャパン。日本でインターコンチネンタル7 軒、ANA クラウンプラザホテル18 軒、ホリデイ・イン5 軒を展開している。
左から、IHG・ANA・ホテルズグループジャパンCOO(最高執行責任者)清田 甚(きよた しん)氏、ホリデイ・イン大阪難波 総支配人 松浦 啓(まつうら さとる)氏、IHG・ANA・ホテルズグループジャパンCEO(最高経営責任者)ハンス・ハイリガーズ氏。熱い握手を交わし、ハンス氏が松浦氏に「IHG・ANA・ホテルズグループジャパンの一員として、今後を期待しています」と、エールを送った
ダブルルーム(20㎡)。デュベスタイルの寝具、枕(ソフト・ハードの2種)など、「ホリデイ・イン」のグローバル・スタンダードに刷新
地上12 階、総延べ床面積1 万1976㎡の、旧ホテルビスタグランデ大阪が、11 月1 日「ホリデイ・イン大阪難波」としてリブランドを果たした。まだ築8 年のため設備面での大きな改修はないが、ロビーのさわやかな香りとBGM、客室に配した人間工学デザインのイス、マッサージ機能つきの多機能シャワーヘッド、高速インターネット完備など、ホリデイ・インのグローバル・スタンダードを導入してソフト面の快適性を充実させた。1 階は、コンビニエンスストア、外貨両替機、朝食ブッフェとディナー&バーの利用ができるレストランを備え、利便性を発揮している。
リブランドにおいては事前に会員へ告知し、9 月12 日から予約受付を開始。当面予約で満室となった。ファーストゲストは、シンガポール、香港、韓国、マレーシア、オーストラリアからのレジャー客だったという。
「好調の理由は、世界9900 万人の会員がいる、当ブランドの認知度および信頼でしょう。同じ価格帯の宿泊先を探している方にとっては、ソフト面やサービス面で、高い価値を感じていただけると自負しています」と、CEO のハンス氏は語る。また、リブランドに向けた従業員教育については、「従業員は全員、前身ホテルから継承しています。当ホテルのお客さまは85%以上が外国人ですので、フロントは全員英語でコミュニケーションできるのはもちろん、中国語や韓国語をあわせて4 カ国語に対応するなど、もともとホテルマンとしての高いスキルを備えた人材ばかりです。しかし、彼らにホリデイ・インのコンセプト“ フレンドリーなサービス” への理解をさらに深めてもらうため、8 月以降、営業しながら研修を重ね、e ラーニングなども活用しながら全員体制で習得に努めてきました」と、総支配人の松浦哲氏。松浦氏は8 月1 日から「なんばオリエンタルホテル」総支配人と兼務しながらリブランドの準備を進めて来た。
インバウンドを一過性にしない
地域連帯で大阪経済の底上げに期待
今後については「この界隈はお土産店、観光地、グルメスポット、活気あふれる商店街もある素晴らしい立地ですので、地域と連携して、大阪の観光産業を盛り立てたい」とのこと。関西国際空港の2015 年度の外国人旅客数は1100 万人で過去最高を記録した。政府は訪日外国人数を2020 年に4000 万人という目標を掲げているが、「一過性ではなく、2020 年以降も続いて利用されるホテルであると確信しています」とハンス氏。自身も2 年住んだことがあるという大阪・ミナミのにぎわう地域性に、大いに期待を寄せている。