今回取り上げるのは福島県の県庁所在地である福島市。福島県は東北の南端に位置し、豊かな自然環境を抱えながらも首都圏からの距離が近い地理的特徴がある。北部と南部で都市の様相が異なり、福島市は北部の拠点都市で、宮城県や山形県との関係性が深い。福島県のマクロマーケットともに以下に福島市のマーケットを見ていこう。
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1. マーケットポテンシャル
福島市は人口28 万3430 人(2015年3 月末)を擁する中心都市である。これは福島県人口の14.5%のシェアを占める。福島市以外の県内市部を見ると、いわき市が33 万2,068 人で県内第1 の人口規模を有する都市であり、それに続いて郡山市が32 万5026 人で県内第2 の都市となっている。福島市はそれらに次ぐ県内第3 の都市である。その他に人口10 万人を超える拠点都市としては会津若松市が12 万3113 人となっており、福島県は福島市、いわき市、郡山市などの多極構造になっている。
過去5 年間の人口増加率(15 年/10 年)を見ると、福島市は▲ 3.0%の減少となった。県内市部はすべてマイナストレンドであり、人口規模の大きい拠点都市は▲ 3%~▲ 5%となっている。南相馬市は▲ 10.3%と減少が大きい。このデータは震災をまたいでいるため、参考までに14 年と比較すると福島市は▲ 0.1%の微減となった。その他の県内市部も郡山市の0.2%以外はすべてマイナストレンドであり、概ね▲ 0.1%~▲ 1%程度となっている。福島市や、郡山市では人口が下げ止まってきているが、依然人口規模の回復の兆しが見られない都市もある。
福島市の年齢構造を見ると、若年人口比率は18.9%、適齢期人口比率は23.4%であり、若年人口比率は全国レベルを上回る結果となった。その他の県内市部の若年人口比を見ると、本宮市の若年人口比率が20.1%と県内で最も高く、その他にも須賀川市が20.0%、郡山市が19.9%、いわき市が18.7%、白河市が19.5%、会津若松市が19.0%、相馬市が18.6%と、全国レベルを上回る都市がいくつも存在する。県全体の若年人口比率も18.7%と全国レベルより高いことから、広域的に若いマーケットが存在していると言えるだろう。
一方、適齢期人口比率は郡山市が25.8%で最も高く、全国レベルを上回っている。それ以外の都市はいずれも全国レベルを下回る結果となった。福島市は県内では郡山市に次いで高く、本宮市とほぼ並ぶ適齢期人口率となっている。(図表2)
また、喜多方市などでは高齢者比率(65 歳以上人口比率)が30%を超えており、高齢化が進展している地域も見られる。
将来推計人口トレンドは福島県内の都市の将来推計人口が発表されていないため、ここでは掲載していない。
※「福島県主要都市の人口マーケットトレンド」「福島県主要都市の年齢構成」「福島県主要都市の将来推計人口」「都市勢圏」「拠点性と流入傾向」「福島県主要都市の婚姻マーケットトレンド」「福島県の観光目的日帰り・宿泊比率」「福島県の観光目的県内・県外客比率」「福島県の観光消費額単価」「福島県の外国人宿泊客の国籍別シェア」、など詳細なデータにつきましては本誌ご購入、または電子版有料版にご登録いただけますよう、お願い申し上げます。
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観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《福島市編》
【月刊HOTERES 2016年12月号】
2016年12月09日(金)