5月18日、サンクト・ペテルブルグのアイコン的存在、ベルモンド グランド・ホテル・ヨーロッパにスタイリッシュなレストランがこれまでにない規模でオープンした。アジアの活気あるグルメ文化と伝統に敬意を表した140席のレストラン『AZIA』では、クラシックなメニューや調理法にクリエイティブな演出を加え、過去と現在をイマジネーションあふれる方法で組み合わせたメニューが並ぶ。AZIAがオープンしたのは、同ホテルが140周年と同じタイミングとなった。


◎メニュー
東洋のエキゾチックなフレイバーにインスピレーションを受けた革新的なキュイジーヌを誇るAZIAのメニューは、地理的な分類ではなく、その調理法で体系化している。中華鍋やタンドール(インド特有の土釜)、炎や蒸気を用い、150通り以上の材料と東洋のスパイスなどを巧みに融合させています。シグネチャー・メニューには、シンガポール風チリクラブ、ニンジンと生姜と共にタンドールで焼いたチキン、5種類のスパイスとロブスターを詰めた蒸しパン等を用意している。各料理は伝統的なアジアの手作りパンや、インド風マリネ、新鮮なワサビ等と共に提供され、専用のカウンターでは寿司も提供している。
丁寧にセレクトされたワインリストには20ヵ国以上から取り寄せたワインが並び、広く知られているクラシックな種類から、日本の笛吹市伊勢原地区で採れた甲州ブドウで作られたマグレ・アルガのようにあまり知られていないボトルまで、ソムリエがワイン選びを手伝う。
京の雰囲気をモチーフにしたバー・エリアでは、プロのミクソロジスト(バーテンダー)がお茶を利用したパーフェクト・カクテルを提供。代表的な「ハズキ」は手作りのブランデー漬けアプリコットとジャスミン・ティーのピューレを贅沢に合わせ、プロセッコとレモングラスのエッセンスを加味しました。他にもクラシック・カクテルや木樽でエイジングさせたスピリッツを使用したカクテル(エイジングさせたジンを使用したネグロニやエイジングさせたバーボンを使用したマンハッタン等)、さらに日本酒や焼酎も数多く取り揃えた。
◎デザイン
AZIAは日本の有名なインテリア・デザイン会社、スーパーポテトが、極東とロシアにインスピレーションを受けてデザインした。700㎡の広さを誇るレストランは、バー、ダイニングルーム、8人用のセミ・プライベート・ダイニング、寿司と刺身専用のカウンターとテーブル、そしてオープンキッチンに分かれている。
レストランのデザインは、“新vs 旧”、“東洋vs 西洋”等の「コントラスト」をベースに、アジアの要素を強調。また歴史的なロシアの織物や建築様式を重要視していることが、壁のタイルや天井、ラグに見られる伝統的なパターンからも見て取れる。可能な限り素材はアジアから仕入れ、東洋特有の針桐(はりきり)の木や岩を、ガラス、鉄、滑らかなステンレススチールや手作りの煉瓦のタイルと組み合わせてコンテンポラリーながらあたたかみのある空間を作りだしている。
同レストランは古いものを大切に使い続けることは日本の素晴らしい美学も取り入れ、レストランへと続く大きなドアは、金属を再利用して作られている。もうひとつの特徴である寿司カウンターは、花崗岩の中のダイヤと呼ばれている庵治石(あじいし)を使用。日本の三大花崗岩の一つとして知られる庵治石は香川県の山奥で産出される。庵治石はきめ細かな細目(こまめ)の中に黒雲母がちらばり、クラシックでスタイリッシュなイメージを演出しています。そしてカウンターの後ろにはスパイスの瓶が一面に並び、まさにデザインに“味”を効かせている。
旅行者にも地元の人々にも人気のヨーロップ(L‘Europe)とキャビア・バー&レストランに続くダイニングとして、AZIAはベルモンド グランド・ホテル・ヨーロッパにオープンしました。ヨーロップはロシアで最も古くから営業を続ける老舗レストランでありながら時代を超えたエレガンスに溢れ、長きにわたり人気スポットとして愛されている。
キャビア・バー&レストランはサンクト・ペテルブルグ唯一のキャビア・レストランで、最高級のロシア料理を美しいアールヌーヴォーのインテリアに囲まれて楽しめる。AZIAはベルモンド グランド・ホテル・ヨーロッパの大改修計画の一部としてオープンした。2014年には、サンクト・ペテルブルグ最大となるプレジデンシャル・スイートを含む6室のウルトラ・ラグジュアリー・スイートが完成し、また会議スペースやイベント用施設も同年に新しく生まれ変わった。これらは全て2013年にホテルのネオバロック様式の外観が改修された工事に続いて行われた計画に基づき行なわれたもの。
ベルモンド日本語サイト
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