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8月12日号は特別企画「星のや東京 持続可能な強みを磨き、世界を目指す」にて、下記コンテンツを掲載しています。
・トップインタビュー トップインタビュー 星野リゾート 代表 星野 佳路 氏、星のや東京 総支配人 菊池 昌枝 氏
・忘れかけていた“日本の佳いもの”を現代に集結 世界の大都市・東京から、塔の日本旅館「星のや東京」が伝えたいこと
詳細は8月12日号をお買い上げいただくか、電子版にご登録いただければ幸いです。
https://www.hoteresonline.com/hoteres/application/input/78
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2016 年7月20 日、星のや東京が開業した。
同“ 旅館” の開業は、星野リゾートに新たな施設が加わったというだけの話ではない。「旅館をホテルの一つのカテゴリーとして世界の投資家たちから選ばれるものにしたい」という、星野リゾートの大きな目標に向けた第一歩目という大きな意味を持つ。西洋文化から生まれたホテルに対し、日本生まれの旅館がより高い顧客満足と、そしてより高い収益性を生み出せるのか。
本インタビューでは大きな挑戦を迎えた星野リゾート代表の星野 佳路氏と星のや東京 総支配人の菊池昌枝氏に星のや東京の開業に寄せる思い、そして今後のビジョンについて聞いた。
すし屋や日本車が世界中にあるように
日本旅館がホテルのカテゴリーとして
世界にあってもいい
―いよいよ星のや東京が開業を迎えました。それぞれの視点で、この開業に寄せる思いについて教えてください。
星野 思いは、日本旅館というスタイルを世界の宿泊施設の一つのカテゴリーとして確立したいというものです。「日本に来たから」ではなく、「温泉地に来たから」でもなく、日本旅館というスタイルが快適で、機能的だから日本旅館に宿泊をする。それが確立できれば日本旅館は海外に出ていくことができます。この度、開業を迎える星のや東京はそのベースキャンプになれればと考えています。
菊池 現在の東京では宿泊先を選ぶときにホテルしかないと思うのですね。そこに旅館があってもいいはずだ、という星野の考えには非常に共感をしています。
東京に訪れた日本人でも、海外からのお客さまでも、宿泊先の選択肢としてホテルのほかに旅館というカテゴリーとしてつくること、これが私たちの目指す所です。
星野 私は、すし屋が世界中にあり、日本車が世界中を走っているように、日本旅館というホテルのスタイルも世界にあっていいと考えています。ただし、そのためには“ 勝てる形” が重要です。従来のままの日本旅館では西洋式のホテルには勝てません。高い快適性と機能性を持ち、さらにマルチタスクを駆使した高い収益性が重要です。
1980 年代、日本にあるホテルが世界的に高い評価を受けたにもかかわらず、その後日本のホテル運営会社が世界に出たとき、全く勝てず撤退することとなりました。それは、西洋式のホテルをそのまま踏襲したものが日本にあったからこそ成功をしただけであり、世界に出る時の“ 勝てる形” ができていなかったからだと考えています。つまり、“ 持続可能な強み” がなかったわけです。
星のやのマルチタスクによる高い収益性はどこのホテルチェーンにもない、まさに持続可能な強みであると考えています。これを武器に東京で成功をさせ、世界に出ていきたいと考えています。