地方のカクテルコンペティションが、業界や地域で大きな存在感を発揮している。きざん八戸(青森県)で4 月3 日に行なわれた「第9 回八戸市長杯カクテルコンペティション」には、全国各地から有力なバーテンダーが集まり、開催した3 部門で個々の技術を競った。会場には500人の来場者が詰めかけ、各選手のプレゼンテーションに見入った。
出場するバーテンダーは全国各地の実力者がそろう。さらに審査員も実績十分な上に、最先端の技術やクリエイテビティーが国内外で評価される者が一堂に会する。この日のために海外から来日する審査員の姿もあった。
一般ユーザーのための会場づくりもほかに類を見ない。入場料にグレードが設けられ、前列は飲み物に合わせた料理が付き、観覧席全体でも飲み物を片手に演技を眺められる。観客を楽しませることを第一にした意識が随所に感じ取れた。「市長杯」と名の付くカクテルコンペは現在、八戸以外に見当たらない。大会実行委員の久保俊之代表は常に、八戸での東京や大都市に負けない飲料文化づくりを標榜してきた。翌4 日にも、クリエイションに重きを置く今日の世界大会を意識した大会「Legend of bartenders 2016」が行なわれた。
それに先駆けて“ 学会” さながらに、国内外のバーテンダーによるセミナーも行なわれた。都心を意識していた八戸が、世界を見据えている。コンペティションで八戸のファイナリストが多いのは、ビバレッジ業界ではよく知られた事実だ。
右から、クリエィティブ部門同店優勝の茂内真利子氏(The Bar Rose Garden、青森)と本間勲氏(JBABAR SUZUKI、東京)、3 位入賞の坪井吉文氏、(Kitchen BAR ロブロイ、千葉)
翌日は世界大会を見据えた「Legend ofbartenders 2016」が行なわれ、岡沼弘泰氏(Shadow Bar、青森)が優勝した
DATA
第9 回八戸市長杯カクテルコンペティション
開催日:2016 年4 月3 日
会場:きざん八戸
出場者数:3 部門48 選手
●クラシック部門
優勝・ベストテクニカル賞:今田俊則(ステラ、岡山)/準優勝:鹿山博康(BenFiddich、東京)/ 3 位:田邊真理子(Rose Garden、青森)/ベストテイスティング賞:鹿山博康、達間洋輔(Orchard Knight、東京)
クラシック部門審査員
渡辺高弘(El Calvador、東京)、高野勝矢(京王プラザホテル)、田村誠(Brilliant、横浜)、金高大輝D.Bespoke、シンガポール)
●クリエイティブ部門
優勝:茂内真利子(Rose Garden、青森)、本間勲(JBA BAR SUZUKI、東京)/ 3 位:坪井吉文(ロブロイ、千葉)
クリエイティブ部門審査員
南雲主于三(Mixology Laboratory、東京)、中垣繁幸(BAROSSA Cocktailier、岐阜)
●フレア部門
優勝:市川寛(カラソル、東京)/準優勝:大和優介(TGIフライデーズ渋谷神南店、東京)/ 3 位:水野寛之(BJ、愛知)
フレア部門審査員
山本圭介(Newjack、横浜)、北條智之(ネマニャ、横浜/全日本フレア・バーテンダーズ協会会長)
大会MC:山端 潤一(ジュンボー)
大会オーガナイザー:久保俊之(ark LOUNGE & Bar、青森)
※敬称略