著者である葛城三千子氏は、三十代後半にさくら旅を始めて今日まで丸三十年(走行距離にして六十万キロにも及ぶ)――文字通りのさくら行脚をしてきた。その集大成である本書は旅の足跡を残している。
「ソメイヨシノ」は幕末に造られたクローン新種であり、古くから歌に詠じ、愛玩されてきた桜ではなかったとし、西行法師が愛し、藤原定家が詠み、芭蕉が句にした桜は、各地でひっそり静かに咲きつづけている。
著者は「ソメイヨシノ」の陰になってしまった「桜」達も近年かなり衰弱しかかっており、日本人であるわれわれに出来ることは、その「桜」の存在を後世に残すこと。そのためにまず、全国のホンモノの一本桜を紹介するために本書を著したとしている。
30年間をかけたさくら行脚で立ち寄った全国のホテル・旅館・レストランガイドを同時に収録しており、観光業に携わるビジネスパーソンにもおすすめの一冊だ。
【書籍案内】
書籍名:そして一本桜
著者:葛城三千子
小売価格:本体2,700円(+税)
発売日:2016年4月6日(水)
四六判並製カバー装オールカラー400頁
宝飯*ISBN 978-4-8421-0778-3 C0076
右文書院
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