小誌・月刊ホテレス独自調査「全国ホテル客室稼働率」の2023年12月結果がこのほどまとまった。今回、全国121ホテルの平均客室稼働率は73.6%(前年月74.6%)、ADRは14,943円(同13,516円、10.6ポイント増)、RevPARは10,998円(同10,083円、9.1ポイント増)となった。
客室稼働率において21年9月時ぶりとなる前年同月を割る結果となったが、約半数のエリアでADR前年月比2ケタ増の伸長が見られ、それが奏功しRevPARにおいて中四国・沖縄を除き伸長の結果となった。
先日、JNTOにより2023年の訪日外客数が2500万人を突破したことが発表されたが、客室稼働率が前年同月を下回った要因の一つとして、インバウンド需要の回復によりオンハンドが大きく回復し、人手不足も相まって各ホテルが高単価戦略に踏み切っていることが挙げられるであろう。
各ホテルからは「今年の稼働は低いが単価を伸ばすことができ売り上げは前年よりアップ」、「去年より個人が少なかったが団体を多く取り込むことができた」、「ADR上昇に伴う稼働鈍化」などのコメントが寄せられた。
〈用語解説〉
●OCC(Occupancy Ratio):客室稼働率
●ADR(Average Daily Rate):1日1室当たりの客室平均単価
●RevPAR(Revenue Per Available Room):1日1室当たりの客室売上高
※RevPARは客室販売における最重要指標、RevPAR=OCC×ADRで算出
(例:客室稼働率50%×ADR 20,000円=RevPAR 10,000円)
〈算出条件〉
●今回の数値は小誌・稼働率調査において「該当月および前年同月」の「客室稼働率およびADR」の計4項目すべて回答のあるホテルのみを用いて算出。そのため、開業1年未満のホテル、前年同月に休館したホテルなどは含まれず。
〈備考〉
小誌「月刊ホテレス」2024年3月号では連載「全国都市別ホテル客室稼働率」にて、23年12月の速報値(計431ホテルの都市別平均値)を掲載。
―――
文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp