小誌・週刊ホテルレストランの独自調査「全国ホテル客室稼働率」の2023年9月速報値がこのほどまとまった。今回、全国112ホテルの平均客室稼働率は76.5%(前年同月67.5%)、ADRは13,167円(同11,034円、19.3ポイント増)、RevPARは10,073円(同7,448円、35.2ポイント増)となった。
今回の調査ではRevPARにおいて2023年前半までの勢いは落ちるものの、引き続き前年同月比で30ポイントを超える大幅な伸長となった。客室稼働率のコロナ禍からの復調もさることながら、ADRの上昇(前年同月比の23年1~9月平均24.1ポイント増)が現在の好調ぶりをけん引している。
各ホテルからのコメントでは「宿泊人数は対前年でマイナスとなったがADRは大幅にアップ」、「コロナからの回復著しい」、「水際対策緩和および円安影響による外国人観光客の増加」などポジティブに連なるものが多く散見した。
〈用語解説〉
●OCC(Occupancy Ratio):客室稼働率
●ADR(Average Daily Rate):1日1室当たりの客室平均単価
●RevPAR(Revenue Per Available Room):1日1室当たりの客室売上高
※RevPARは客室販売における最重要指標、RevPAR=OCC×ADRで算出
(例:客室稼働率50%×ADR 20,000円=RevPAR 10,000円)
〈算出条件〉
今回の数値は小誌・稼働率調査において「該当月および前年同月」の「客室稼働率およびADR」の計4項目すべて回答のあるホテルのみを用いて算出。そのため、開業1年未満のホテル、前年同月に休館したホテルなどは含まれず。
〈備考〉
小誌2023年11月24日号では連載「全国53都市ホテル客室稼働率」にて、23年9月の速報値(計373ホテルの都市別平均値)を掲載。
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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp