フレキシブルなニーズに対応できる点が強み
----アスコットの運営面での強みを教えて下さい。
クリスチャン・ボーダー(以下「ボーダー」) 私たちの強みは短期滞在から長期滞在までフレキシブルなニーズに対応できる点です。特にサービスアパートメントは客室も広く、中長期の滞在に適しています。ホテル需要だけでなく企業のエグゼクティブの方の滞在需要もあり、コロナ禍中でも稼働率は 50%を超えていました。短期から中長期まで、ハイブリッドに対応できるモデルが私たちの特徴です。
また、アスコットはテクノロジーの活用にも力を入れており、特に予約などのバックオフィス業務や、スムースでストレスのないチェックイン/チェックアウトなどフロントのスタッフをテクノロジーがサポートしています。
アスコットにとって今回のオークウッドの買収は非常にポジティブなことです。オークウッドは日本でもすでに認知されており、統合によってアスコット全体の認知度も向上していると感じています。
そのほか、アスコットではグローバルに展開するホテル、サービスアパートメント企業としてスタッフのサポートとパートナー企業との連携によって「コミュニティ」、「アライアンス」、「リスペクト」、「環境」、「サプライチェーン」の 5つの基本柱を中心としたサステナビリティプログラム「Ascott CARES」を持っています。私達はこのサステナビリティのコミットメントにもとづき、事業のあらゆる側面において、環境、社会、経済の各分野にプラスの影響を与えることを目指しています。
この「Ascott CARES」は「Global Sustainable Tourism Council(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会:GSTC)」という世界的な旅行および観光分野における観光産業界の専門家や、政府機関のための持続可能な開発の基準を定め、GSTC認定基準のステータスを取得したプログラムです。例えば、「環境」においては「2030年までに二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス(GHG)の排出量を46%削減する」、「2030年までにエネルギー使用量を 35%削減する」、「2030年までに再生可能エネルギーの使用比率を 35%にする」といった目標を定めています。
ほかにも、「コミュニティ」においては展開する全施設が年間一つ以上のコミュニティ活動やボランティア活動に参加をすることを定めていたり、2030年までにアスコットの全施設が ISO14001および 45001の認証を取得することを目標としていたり、同じく「リスペクト」の中のダイバーシティや公平性の点では、優秀な人材を育成するために継続的な学習を促進するプログラム「キャピタランド・ビルディング・ケイパビリティ・フレームワーク」のもと、アソシエイトに将来即戦力となるスキルを身に付けさせる仕組みを用意するなど、幅広いサステナビリティーに関する取り組みを行なっており、そうした取り組みは社会からはもちろんお客さまからも評価をいただいています。