今回取り上げるのは笠岡諸島、日生諸島、児島諸島、犬島など、岡山県に属する瀬戸内海中部~北部の離島群。比較的本土に近く、本土とは距離が離れる離島群とは異なる特色があり、独特の観光振興の取り組みが見られて注目されるエリアである。岡山県のマクロなマーケットポテンシャルについては岡山市編、観光ポテンシャルについては倉敷市編を参照していただきたい。
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毎月第2週号に掲載
1.マーケットポテンシャル
岡山県に属する瀬戸内海の離島群は、北木島、白石島、真鍋島などの笠岡諸島地域、大多府島、鴻島などの日生諸島地域、六口島、松島などの児島諸島地域、前島地域、犬島地域、石島地域から構成される。笠岡諸島は笠岡市から南に連なる 30あまりの諸島群。日生諸島は備前市日生町の南の海域に位置する 14あまりの諸島群で、一部は兵庫県赤穂市に含まれる。児島諸島は倉敷市鷲羽山の南の海域に位置する諸島群である。これらの離島群の一帯は瀬戸内海国立公園に指定されている。
岡山県の有人離島は 13島存在している。その中で笠岡諸島が属する笠岡市が最も多く、高島、白石島、北木島、飛島、真鍋島、六島の 6島を有している。次いで児島諸島が属する倉敷市には六口島、松島、日生諸島が属する備前市には大多府島、鴻島と2島ずつ、それ以外は岡山市に犬島、玉野市に石島、瀬戸内市に前島と1島ずつとなっている。(図表1)
離島への交通は海路となっている。笠岡諸島では北木島へは住吉港から高速船で 36分。白石島へは同じく22分、真鍋島へは同じく44分、日生諸島では大多府島へは日生港から定期船で 35分、児島諸島では六口島へは下津井港から10分、その他犬島へは宝伝港から10分、前島へは久賀港から20分、石島へは宇野港から海上タクシーで 15分となっている。比較的本土に近い離島群と言える。橋によって本土と結ばれて離島ではなくなった島もある。そのため、沖縄の南方海域の諸島群のように大きく文化や風土が本土と異なると言うことはないが、身近で自然が体験できる場所と言えるだろう。
人口規模を見ると北木島が最も多く931人となっている。次いで白石島が546人、真鍋島が 235人、前島が 167人、飛島が 105人、大多府島が 102人で続いている。面積を見ると北木島が7.50km2で最も大きく(※ 1)、次いで白石島が 2.95km2、前島が 2.42km2、鴻島が 2.09km2となっており、これらの離島が人口、面積ともに大きく、中心的な存在であることがわかる。特に笠岡諸島に大きい離島が見られる。
また、有人島における高齢化率(65歳以上人口比率)を見ると、50%以上の島が多く見られ、全国レベル(26.6%)を大きく上回っている。特に犬島が81.3%、飛島が 81.0%、松島が 75.0%と極端に高齢化が進展していることがわかる。(図表2) 岡山県の離島を有する都市である岡山市、倉敷市、玉野市、笠岡市、備前市、瀬戸内市の人口、年齢構成(若年人口比率、適齢期人口比率)、将来推計人口を図表3~図表5にまとめた。都市人口は離島部分以外を多く含むため、参考値として見ていただきたい。
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