公益社団法人 国際観光施設協会 小川 正晃
株式会社ユニ設備設計 会長
2000 年から2003 年(H12 ~ 15)にかけて、各地で発生したレジオネラ感染事故を契機として大浴場におけるレジオネラ属菌(以下レジオネラ)対策は十分周知されているにもかかわらず、相変わらず浴場施設で感染事故が発生しています。
写真-1 は浴槽水の残留塩素濃度によって自動的に塩素を添加する自動塩素注入装置を設置して、ほぼ理想的な消毒を行なっていた浴槽の、竣工後1年目に循環配管内を撮影した写真で、白い付着物がバイオフィルム(生物膜)です。つまり適切な清掃・塩素消毒をしていても、浴槽設備の配管には自然現象としてバイオフィルムが生成され、レジオネラが生息するようになり、浴槽水中の塩素がなくなる水中に出てきて、浴槽水を汚染するのです。
【写真-1】配管内のバイオフィルム