レストランはネット予約が“ 当たり前”
グルメサイトのネット予約強化で
レストランのネット予約が急増
図1,2 をご覧いただきたい。これらはグルメサイト「食べログ」、と「ホットペッパーグルメ」の累計予約人数の推移である。ご覧いただいて分かる通り、ここ数年でレストランのネット予約が急増していることが分かる。
この背景には、スマートフォンの浸透による人々のネットリテラシーの変化と、それを受けたグルメサイト運営各社が手数料ビジネスを強化し、ネット予約の拡大に力を入れているという背景がある。
過去の宿泊のネット予約化と同じ道をたどる
レストランのネット予約
世代によっては「信じられない」という話かもしれないが、これはまさに過去、宿泊のネット予約が始まった頃と同様の状況である。急増するレストランのネット予約の流れは今後も変わらず、数年もすればレストランのネット予約は“ 当たり前” の時代となるであろう。
そして、今まさにレストランのネット予約は過去の宿泊と同様の道をたどっている。それは、「ネット予約のゲストの方が直接予約のゲストよりも割安である」という点だ。実際、あるホテル内ブッフェレストランを見てみると、某ネットエージェント予約経由にすると同じ料金でスパークリングワインが一杯提供される。今でこそレートインテグレイティという言葉が生まれどのチャネルでも同じ価格で提供すべきという概念が定着しているが、レストランでは10 年以上前の宿泊予約と同様の状況となっている。
「席売り」から「プラン売り」の時代へ
ネット予約時代に合わせた販売手法で
レストラン売上を向上させるホテルが続々
レストランのネット予約急増を後押ししているのは、冒頭にも書いたとおりグルメサイト運営会社がネット予約を強化していることにある。現在、ホテルに関する主要グルメサイトには「ホットペッパー」、「食べログ」、「ぐるなび」、「一休.com」、「OZ モール」(ネット予約可能店舗数順)らがある。自社サイトからのダイレクトブッキングは各社がそれぞれ顧客を囲い込む取り組みをしており、宿泊同様にハードルが高いというのが現状だ。
宿泊のレベニューマネジメント同様、レストランのネット予約を強化するためには以下のポイントが重要だ。
レストランのネット予約強化のためのポイント
・ 原則全チャネルを網羅する
・ 需要が強いと予測される日・時間帯は来店含め直販のみ
・ 需要の低い日・時間帯に魅力的なプランを販売
すでにレストラン専用のレベニューマネージャー的な仕事を行なうポジションを設置しているホテルもあり、また、試験的に需給バランスを見ながらブッフェレストランの値段のコントロールに挑戦するホテルも登場しているという。数年後には、レストランのレベニューマネジメントが当たり前の時代になっているかもしれない。
ポイントはネット予約業務の効率化
宿泊同様にレストランの
「サイトコントローラー」が登場
そして、とうとうレストラン予約に関しても宿泊の「TL-リンカーン」や「TEMAIRAZU(手間いらず)」などと同様のサイトコントローラー(チャネルマネージャー)が登場している。過去に㈱一休において取締役であった浅井慶三氏が立ち上げた㈱レスラクが提供する「レスラク」がそれだ。
同社サービスは宿泊のサイトコントローラー(チャネルマネージャー)同様に複数のグルメサイトに掲載するプランの在庫を一括管理し、予約管理業務の大幅な効率化や在庫分散による機会損失防止を実現している。また、同社がこれまで多数のレストランの予約業務の支援によって得たノウハウも提供し、各ホテル内レストランの予約増加サポートも行なっているという。実際、同社の提供する「レスラク」導入後、多くのホテルがレストランのネット予約を大幅に向上させている(図3~5)。