IRを基地に全国を巡ってもらい
日本を世界に冠たる観光立国にする
PART 1は、IR議連会長の細田博之衆議院議員、IR議連幹事長の岩屋毅衆議院議員による「日本版IRの今後」が行なわれた。
細田氏は「日本版IRを実現するための法案を成立させようとする安倍晋三総理大臣の思いを受けて、IR議連会長を務めてきました。時間はかかりましたが、2016 年暮れに基本法が国会を通過し、現在はIR実施法に向けて各省庁間における詰めの作業を行なっているところです」と述べた。「日本版IRの大義名分は、観光立国の扉を開くことにあります。IRを基地として、日本全国にあるさまざまな観光地を世界の人々に巡ってもらうためのシステムを構築していく必要があると考えています。一人一人の観光客の個別の要望に応えていきたいという思いを抱きながら、日本版IRの実現に向けた取り組みをこれまで続けてきたのです。IRと聞くとカジノによるギャンブル依存症に注目する方もいらっしゃいますが、そうした誤解をクリアしながら、次の総選挙にも勝利して日本版IRを引き続き推進していきたいと思います」
続いて岩屋氏も「IR実施法の成立に全力を尽くしていきたいと思います」と意気込みを語った。「日本の観光業に関する研究を長年続けてきたオータパブリケイションズが創り上げた『日本版IRの全貌!』は、実によくできていると思います。IRについて15 年間取り組んできた私にとっても、まさに全貌を知ることのできるテキストブック、バイブルと呼んでも過言ではない内容となっています。総選挙においても日本版IRの実現を公約に掲げ、同時にギャンブル依存症対策基本法を成立させるための作業を進めていきます」
また、「日本版IRは、いつ、どこにできるのか」という問い掛けに対しては、「IR候補地としての立候補は地域の自主性に基づくものであり、国は選定基準によって地域から上がってきたものを審査することになる」とした。その上で、IRによって日本全体の活性化につなげる必要があることから、首都圏や関西圏にとどまらず、各地方の特性を生かした形でIRを創り、結果としてあまねく日本全国にIRができていく方向性で構想を進めていく必要があるとした。
「日本を世界に冠たる観光立国にしたいというのが、私たちIR議連の信念です」と岩屋氏はメッセージを送った。「国の成長戦略につながるシーズはいくつかありますが、その中でも観光は間違いなく大きな役割を果たすことになります。国内外の英知を結集して競争力のあるIRを創ることで、日本の観光業を成熟させ、多くの若者が仕事に取り組むことのできる新たな場所を生み出したい。エンターテインメントも含めて、日本版IRを必ず創り上げていきたいと思います」
日本版IR誕生に向けた動きが本格化する今
「『日本版I R の全貌!』刊行記念シンポジウム」開催
【月刊HOTERES 2017年11月号】
2017年11月17日(金)
小社代表取締役 太田進
小社専務取締役経営調査室長 村上実
東洋大学 国際観光学部国際観光学科准教授 佐々木一彰氏
IR 推進会議委員/大阪商業大学教授 美原融氏
㈱小西美術工藝社代表取締役社長 デービッド・アトキンソン氏
㈱電通ビジネス・クリエーション・センターレガシー事業推進室/都市戦略・産業創生部 IR・観光プロジェクトコンサルティングディレクター 岡部智氏