イベントの参加者集合写真
10月4日、統合型リゾートを開発・運営するラスベガス・サンズ・コーポレーション(本社:米国ネバダ州ラスベガス)は、パレスホテル東京でグローバル親善大使のデビッド・ベッカム氏をはじめとするスポーツや音楽のライブエンターテインメント業界を代表する国内外のリーダーを集め、日本版IR についてパネルディスカッションを行なった。会場に多くのメディアが集まった。
左から順に、ラスベガス・サンズの親善大使を務めるデビッド・ベッカム氏、ラスベガス・サンズのロバート・G・ゴールドスティーンCOO
ラスベガス・サンズとは
ラスベガス・サンズとは、米ネバダ州ラスベガスに本社を置くカジノオペレーターの最大手。ラスベガスのほか、マカオ、シンガポール、米ペンシルベニア州でカジノ・リゾート事業を運営。マカオ事業を統括する子会社「サンズ・チャイナ」は香港証券取引所に上場。同社が運営する主なカジノ・リゾートは、1999 年開業の「ベネチアン・ラスベガス」、2007 年開業の「ベネチアン・マカオ」、10 年にシンガポールで開業の「マリーナベイ・サンズ」、16 年開業の「パリジャン・マカオ」など。
同社が今年7 月に発表した2017 年第2四半期実績(4 月〜6 月)の連結純利益は18.6% 増の31.4 億US ドル。純利益は61.9% 増の6 億3800 万US ドル。2017 年度通年予測では連結純利益は126 億US ドル見込み。
エンタメ業界のリーダーが集結
ラスベガス・サンズ社が国内外のエンターテインメント業界の立役者、イーグルスのリードギタリストであるジョー・ウォルシュ氏、ウドー音楽事務所創業者の有働誠次郎氏、LiveNation 社の海外・新興国市場部門責任者であるアラン・リッジウェイ氏、またテレビ番組「アメリカン・アイドル」のクリエーターでありスパイス・ガールズのマネジャーでもあり、ベッカム夫妻のビジネスパートナーでもあるサイモン・フューラー氏を集め、日本のメディアに向けてパネルディスカッションを行なうのは今回が初めて。約1 時間、イベントが開催された。
日本の課題は、大規模MICE 施設
ラスベガス・サンズ社のロバート・G・ゴールドスティーン社長兼COO のあいさつ後に行なわれたパネルディスカッションでは、各リーダーから次のような発言が続いた。
「日本は大規模なMICE 施設がなく、エンターテインメント分野ではメジャーなコンサートのための最先端の設備の整った大規模な施設は多くないのが現状。IR 開発で魅力的な施設をつくることで、世界中からファンが集まる」(アーヴィン・エイゾフ氏)
「エンターテインメントはIR の中でも、MICE を契機とする誘客において、非常に重要な役割を果たす。日本版IR が国際競争力のある施設になるためにも、IR の運営で実績のある事業者と、国内のエンターテインメント事業者がパートナーシップを組む必要がある」(ティム・レイウェック氏)
「米国、マカオ、シンガポールの9 カ所の施設で、年間900 以上のショーを開催している。日本でも、国内外の有力アーティストと音楽ファンの期待の応える最先端のライブエンターテインメント会場とコンテンツをつくっていきたい」(ロバート・G・ゴールドスティーン氏)
「マリーナベイ・サンズがシンガポールで手掛けたエンターテインメントシーンの変革と観光業に与えたインパクトを考えると、日本版IR は、観光の魅力としての日本のエンターテインメントの可能性を掘り起こすものと考えている」(ジョージ・タナシェヴィッチ氏)
ロックバンド・イーグルスの元ギタリストであるジョー・ウォルシュ氏
日本でもなじみのあるマリーナベイ・サンズ