国内外にてさまざまなホテル実務経験を持つ秋山正人氏。マサチューセッツ大学アマースト校ホテル・レストラン経営学科にて理論と実務に基づいたホテル経営を体系的に学ぶと共に、米国での高級ホテルの実務経験により世界で通用するホテリエを目指した。現在は観光や人に関わる仕事を目指す学生を対象に業界の基礎的な知識や経営の観点からとらえたホテルの構造や社会人として必要な文章力を高めるための卒論指導などを行なうなど、徹底した次世代育成にも取り組んでいる。
流通経済大学
社会学部国際観光学科
教授
秋山 正人 氏
〈プロフィール〉ホテル業をサービスだけでなく経営管理やホスピタリティなどの観点から論じ、広く観光業を目指す学生を指導している実務者出身の大学教員。専門はホテル経営論やホテル開発論など。1972(昭和47)年慶應義塾大学商学部卒業金融機関に勤務後ホテル経営を学ぶために渡米、78(昭和53)年マサチューセッツ大学アマースト校ホテル・レストラン経営学科を卒業。ウエスティン・ホテルズ(現)等でマネジメント・トレーニーなどを経験し帰国。ホテル・ニューオータニ、全日空ホテルズ、ヒルトン小樽、アーコン・ホスピタリティ(ゴールドマン・サックス)などで国内外にて総支配人、ホテル運営管理、ホテル経営指導、新規ホテル開発などの要職を経て、2011(平成23)年~13(平成25)年文教大学国際学部教授、13(平成25)年より現職。日本国際観光学会監事。JHRCA認定上級ホテル・レストランコンサルタント。現在、2020年度開校を目指す専門職大学の国際観光学部ホテルフィールドにおけるカリキュラム作成委員として、他に無いユニークな教育プログラム開発・編成に注力中。
▶秋山教授はもともと金融業に勤められたのちに、ホテル業界に転身されました。以後、ホテル経営教育カリキュラムの確立した米国で学ばれ、高級ホテルで実務経験もされています。そもそも、金融業からホテル業に転身されたのはなぜですか。
元々、宿泊業が好きだったこともありますが、私にとってホテル業はホスピタリティ産業の代表であり、お客さまに感動を与えられる本当に素晴らしい職業と感じられたからです。初対面のお客さまでも、お客さまと感動、喜び、楽しさ、時には悲しみなどの時間体験をどれだけ共有できるかがとても大切なことです。年間約2800 万人の外国人観光客が来日している中で観光業に求められることは、言葉や文化の壁を超えて感動を与えることであり、観光業の中でも人と直接接するホテルは、まさにホスピタリティにおける最高峰としての自覚を持ち、日々、研鑽していかなければなりません。そのためにもさまざまな知識を習得するとともに、観光業、レジャー産業に関わるさまざまな業種の方々と出会い、情報収集することはとても大切なことです。