■ Case Study 7
リーダーたるもの、リーダーシップの心得など、その重要性や、すべき論を論じるものは多いですが、人間、頭では分っていても、いざ自分自身が行動へ移すこととなると、なかなか難しいものです。そこで、その逆転の発想として“ フォロワーシップ” という視点があり、むしろロジカルでスムースに現実化できるのですが。今回の事例は、その“フォロワーシップ” 思考に基づいた変革を紹介したいと思います。
大手証券会社の合併に伴う組織活性のコンサルティングを行なったとき。その企業の課題は、約400 にもおよぶ支店長に対する意識改革でした。合併による具体的な作業は変わらないにしても、大きな組織変更と人事異動によって、各支店のリーダーが描いている構想と現実の間で戸惑いが生じ、結果、作業効率が停滞していました。最初に会社の担当者から相談を受けたときも担当者自身に不安の様子が見受けられました。話していただく内容のほとんどは、合併前後の変化と不満でした。そして、次に約400 人の支店長への変革は、各40 人の集合宿泊研修を10 回行なうことで対応しました。支店長と言えば、まさに“ 現場” 組織のリーダーであり、指揮官です。企業経営を司る経営トップ層とは、その責務が異なり、その動きが悪くなれば、“ 現場”は動かなくなってしまいます。しかし現実では、“ 合併前はこうではなかった” とか、“ 仕事がしにくくなった” などといった支店長の非常に気分的であいまいな発言も目立つようになっていました。新体制や新人事に不満を抱く支店長がほとんどで、組織は正直、バラバラの状態でした。
■ポイント
フォロワーシップ思考では、リーダー自身へのすべき論ではなく、リーダーを支えるフォロワー、つまり部下に向けた思考法です。リーダーとして、部下に対して、自組織に対しての的確な視座、視点を整理したもので、何よりまず、フォロワー、部下の行動指針を明確に指示できるものとなります。ここでは、その主なポイントを紹介します。
第7 回
大住 力 マジカル☆チームの創り方
第7 回 “フォロワーシップ” 思考に基づいた変革
【月刊HOTERES 2016年02月号】
2016年02月05日(金)