また顧客がイラ立つ、つまりストレス場面を調査した結果、チェックイン、アウトのフロント待ちが大半であり、次いで朝食会場での待ち時間、予約電話での待ち時間という順序でした。
ストレスを感じる場面が多いということは、「安心」できる滞在体験と逆行します。そこで今回は、顧客がイラ立つようなストレス場面について、具体的にどれほど待たされた場合に不安を感じるかを調査しその結果をご紹介したいと思います(全国男女200 名に対するインターネットアンケート調査、2018 年弊社実施)。
まずは、電話予約時の引き継ぎ等にかかる待ち時間の影響について、ビジネス出張目的と観光目的でそれぞれを見てみましょう。その結果、ビジネス目的と観光目的では、事前感情が影響してか、ビジネス目的の方が待ち時間の影響が相対的に高く、10 秒以上で64%の回答者が、「強く不安」、「不安」、「やや不安」と大小を総じて不安を覚えると答えています。30 秒以上ともなりますと、全体の8 割以上がそれら不安感を覚えるという結果でした。
上記の通り、顧客との最初の接点で、ほんの数十秒の違いが大きくホテルの信頼感や安心感という印象に影響を与えており、「迅速性」がどれほど重要なのかがうかがえます。
次いで、顧客が宿泊施設に到着しチェックイン対応中において、「客室確認等」での待ち時間についてはどうでしょう。本調査は、カウンターに到着してからルームキーを受け取るまでの総時間ではなく、到着後に客室予約の確認シーンに限定したもので、30 秒以上、1 分以上、2 分以上と3 ケースを想定してそれら待ち時間が、どれほど顧客側の不安感につながるのかを調査した結果です。
その結果、以下の通り、30 秒以上では全体の69%が、「強く不安」、「不安」、「やや不安」と大小を総じて不安を覚えると答えています。また1 分以上では同79.5%、さらに2 分以上では87.5%という結果でした。先ほどの電話対応では、顧客側から相手の顔が見えない環境であり、また事前の期待として即座に対応してくれるものだと感じているのでしょう、数十秒で大きく不安感に影響を与えるという結果でした。一方で、チェックイン時の客室予約確認では、実作業を目前としており、意識が分散するためか、先ほどの電話予約と比べて相対的に許容時間が長いという結果でした。ただし、1分を超えてしまいますと、8割近い顧客が不安を感じてしまいます。