鹿児島市街地を眼下に見渡す、標高108mの高台、城山に建つ城山観光ホテル。鹿児島のシンボル桜島と錦江湾の素晴らしい眺望が大きな魅力
「ニオイ問題の解決」は、すべてのホテルが抱える永遠の課題の一つである。客室、エレベーターホール、廊下などお客さまを招き入れる空間に、タバコ、香水、香辛料などのニオイがこもってしまっていれば、ホテルのブランドイメージは大きく損なわれる。ニオイを根本的に解消できるアイテムを探して、多くのホテルマンは試行錯誤を続けているに違いない。住友化学とHOTERES のコラボレーションによって開発された「airnote(エアノート)」は、ニオイに関するホテルの悩みを解決してくれるアイテムだ。「消して」+「香る」という新発想のコンセプトを持つ「airnote」の導入により、ワンランク上の快適空間を実現する宿泊施設が増えてきている。
喫煙ルームのタバコのニオイ問題が
「airnote」で一気に解決された
明治維新150 周年、NHK 大河ドラマ「西郷どん」の放送も予定されている2018 年に、創業70 周年、ホテル開業55 周年を迎える鹿児島の城山観光ホテルは、25 タイプの客室をそろえて国内外からのお客さまをお迎えしている。桜島を一望できる好立地を生かしながら、宿泊、飲食、宴会、婚礼ともに鹿児島を代表するホテルとしての役割を果たしてきた。
ほかの多くのホテル同様、安らぎの空間を提供する城山観光ホテルにとっても、ニオイ問題は何とかして解決しなければならない切実なテーマとして在り続けていた。空間のニオイに対しては多くのお客さまが敏感で、特にタバコのニオイは直接ネガティブな声につながる要素となっていた。換気だけでは消臭しきれないため、これまでにさまざまなアイテムを使って試行錯誤を繰り返してきたが、根本的な解決には至らないという悩みを抱えていた。
タバコのニオイに関する悩みの解決に向けた道が一気に開けたのは、「国際ホテル・レストラン・ショー」における一つの出会いからだった。「消して」+「香る」というコンセプトで数多くのホテルのニオイ問題を解決してきた住友化学の「airnote」の存在を会場で知ったのである。
2016 年10 月から、「airnote」5台を喫煙の客室に設置してトライアルをスタート。4種類ラインアップされた香りの印象を比べながら、その効果を試した。タバコのニオイに対する効果についてはトライアルを開始後、すぐに実感することができた。そこからは香りについてスタッフの意見を聞き、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3段階で噴霧の強さを調節できる機能について、どれくらいのニオイに対してどの強さを選択すればいいのかといった試験を現場で行なった。その上で本格的な導入へと至ったのである。
「全客室における喫煙ルームの比率は、時代の流れとともに減らしてきています」と執行役員宿泊本部副総支配人の得田秀範氏は言う。「2009年には禁煙ルームが22%でしたが、現在は逆転して喫煙ルームは365室中51 室の14%となっています。喫煙のお客さまもチェックイン時のお部屋のタバコのニオイを気にされますが、喫煙ルームに限りがあることからルームチェンジのご要望に沿うことが難しいというケースも出てきていました」
このように喫煙ルームにおけるニオイ問題を解決するための取り組みは大きなテーマとなっていたが、「airnote」の導入によってその課題をクリアすることができたのである。
喫煙ルームのあるフロアの廊下にも「airnote」を複数台設置。タバコのニオイを感じることなく、客室までの動線を進むことができる