日々、目まぐるしく変わる時代の流行とともに必ず会社を変革させていかなくていけません。気がついたときには時代おくれになってしまう会社にならないように気をつけていきたいものです。今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。

 
　デジタル化、IT 化が急速に発展し、とても便利な世の中になりました。何でもコンピューターが処理をしてくれ、仕事の時間はかなり短縮できるようになりました。先日、未来のロボット展に行きました。そこで人間と同じような表情や手の動きをしているロボットの姿は本当に人間に近いものでした。これから未来に人間の生活空間で活動することを想定して開発されたものでした。セラピー用の動物ロボットはなでるとよろこんだり、声をかけると体で反応してくれます。表情を変える姿にもびっくりしました。
 
　これからの時代はまだまだ発展してどこまでも便利な社会になっていくと思いますが、反対に本物の人間にしかできないことをすることが、価値の上がる世の中になっていくことはまちがいないと思います。
　人間にしかできないこととはやはり人間同士として心を通わせたり、コミュニケーションをとったり、意思決定をしたり、お客さまに営業をしたりなど、まさに私たちサービス業の仕事です。ロボットではできないことをたくさんしているのです。だからこそデジタル化ではないアナログ化がとても重要だと思いませんか？
 
　現代の子どもたちはスマートフォンやパソコンゲームの影響でコミュニケーションに問題が生じたり、いじめ問題に発展している現状があります。また漢字が書けない若者も増えてきています。昔のサービス業は人と人とのコミュニケーション能力にたけていて成り立っていた部分が大きいと思います。もっと昔の時代にさかのぼれば昔の人は勘にもたけていて、創意工夫を常に行ないながら生活していたのではないかと思うのです。つまり頭で考えながら行動していたのです。
 
　今はパソコンで調べれば何でもほとんどのことを調べることができ、素早く苦労せずに答えを得ることができます。今晩、レストランに食事に行こうと計画したときでも評価を見て選択できます。評価の点数が良いところがおいしいレストランということから、ますますそのレストランに人が集中するわけです。
 
　私は行く前から分かりすぎると楽しみも半減するような感覚になることが実際にあります。何でも先に分かってしまうような時代になってしまうと、人は考えることをしなくなります。皆さんの会社は弊害出ていませんか？社長自身が一日中、パソコンとにらめっこして社員のことやお客さまのこときちんと見ていますか？ トレンドをきちんととらえられていますか？
 
　パソコンに操られている社長はロボットと同じです。時代の流れを先読みしつつ、かつ時代の波に乗り遅れないようにするにはどうしたらいいのでしょうか？ これができないと時が止まり、お客さまからの支持は得られません。ここで変わってはいけない、変えてはいけないアナログ手法で社長自らが勝負してほしいのです。それは社員に対しては理念を真剣に熱く語りながら向き合うこと。お客さまには新しい情報発信をしながら時代にあった商品を研究し提案することです。
 
　反対に商品、運営方法がアナログのままで陳腐化している会社も実際見かけます。もちろんそうなると社長自身も陳腐化していることも少なくありません。お客さまとのメールのやりとりで行きちがいになって誤解されたり、返事が遅いといったこともよく現場では問題が起きています。一度あなたの会社のデジタル化の部分とお客さまによって心地よいアナログ化の部分を書き出してみてください。きっと何か戦略やアイデアが出てくるのではないでしょうか？


 

〈プロフィール〉岡山市の老舗旅館、岡山石山花壇（現在のザ マグリット）の宴会営業スタッフとして入社。その後、婚礼部門を強化するプロジェクトを成功させ、年間2 組から339組までを達成したのは業界でも有名。同社にてウェディング・プランナー、マネージャー、支配人、営業企画室長、役員として活躍。また、関連会社 グレート：プランニングにてコンサルタントとして、12 年間、全国の数々のホテル、結婚式場の再生、婚礼強化に携わる。プランナー教育、マネージャー教育、経営者の良きアドバイザーとして定評がある。平成23 年、スプリングフィールドを設立。経営コンサルタント、衣裳・美容の内製化支援、式場のプロデュースを中心に現在活動中。2013 年5 月には、ニューヨーク支社を設立し、現地でもパーティーやイベントを手掛け、日本のウエディング、パーティーを広める活動もしている。