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006 岡村衡一郎  サービス・イノベーション 48手 ~現場と本部が一体で進めるイノベーション~ 

006 脱分業発想でイノベーション

【月刊HOTERES 2016年07月号】
2016年07月15日(金)
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岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。㈱船井総合研究所を経て、2004 年㈱スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など

今回のポイント
ホテルが考えるバリューを提供する上での
プラスワンアクションをするために何が必要だろうか

変化に追われるリーダーのための実践的イノベーションメソッドとして、ホテル業の事例にとどまらず、多く企業変革の現場から生まれた「チェンジング・メソッド」48 種を紹介します。

「係りの者がまいります」。ホテル業の方は、違和感なく使っている言葉のように思う。
 先日あるホテルでズボンプレッサーと携帯充電器をお願いすると、別々の人が部屋まで届けてくれた。チェックアウト後に「部屋に忘れ物をした」とフロントで伝えると、「いま係りの者がお持ちします」との返答だった。皆、丁寧な対応と笑顔で接してくれるけれど、サービスとサービスの間に隙間ができてしまう。これが、分業の弊害だ。
 
 イノベーションと分業発想は相性が悪い。季節のイベントを企画する人。宿泊客の対応をする人。レストランの運営をする人。それぞれがしっかりとやることで、満足が高まるという前提にあるのが分業である。チェックイン時に朝食のおすすめメニューを伝えられれば楽しみは広がるはずだが、私の経験ではこのような場面に出会うことの方がまれだ。
 

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