株式会社アーバンマネジメント
常務取締役 講師統括マネージャー
松浦 誠
(プロフィール)
1983年2月大阪生まれ。
ホテルでの仕事にあこがれ、アメリカ・シアトルへ留学。帰国後ザ・リッツ・カールトン大阪へ入社し、レストランサービス業務にたずさわる。順調にキャリアを重ねる中、29歳のときに脳梗塞を患う。失意の底に沈むも、兼ねてよりお世話になっているお客さまからの紹介で、㈱アーバンマネジメントへ講師として参画。以後毎年2000名を超える受講者が参加する研修は、業態を問わず、人と接する喜びを体感し、自己表現を養うことで人生の質を向上させ、売上向上・離職率低下という成果につながると高い評価を得ている。
ホテル勤務時代のお客さまからの言葉「あなたのホスピタリティを後世に残してほしい」を胸に、日々人生をかけて、プロフェッショナルに必要な感性を伝える。
〜今この瞬間の行動を決める視点〜
前回までの記事では、価値観と世界観の違い、悪気なく他人を傷つける行動、無表情の影響力などに関してお伝えしてきました。今回は私が研修の初日に必ず行なっている体験ワークのことをお話させていただきます。
研修では受講されている方々に対し「3色以上の色ペンを使って、あなただけのオリジナルの名札を作成しましょう」とお願いします。そして研修が進む中で唐突に「名札ってなんのために存在するものですか」と言葉を投げ、各々が書いた名札を見返していただきます。
いろんな色を使う方がいます。中にはすべての文字を蛍光の黄色を使って書いている方も。その色ではよほど目をこらさないと、文字を読むことはできません。濃い目の見えやすい色を使って大きくきれいに書いていても、漢字にふりがながないため読むことができない方もいます。
「名札は誰のために存在するのか」と問いかけられ、自分で書いた名札を見返したとき、「名札は自分以外の人が見るものであり、作るときにはそれを見る人のことを思いやり、色やデザインを考える必要がある」ということに全員がハッと気付くのです。自分の視点が自分に向いていれば、そこから生まれる行動は自分本位なメッセージとなって他人に伝わります。しかし視点が周りに向いていれば、行動は相手主体のメッセージとなって相手に伝わります。