プロフィール
大住 力(おおすみ・りき)
ソコリキ教育研究所 所長
公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」代表
東京ディズニーランドなどを管理・運営する㈱オリエンタルランドで約20 年間、人材教育やプロジェクトの立ち上げ、運営、マネジメントに携わる。退社後、「ソコリキ教育研究所」(研修・講演・コンサルティング)を設立し、前職での経験を生かして、人材育成プログラムを企業などに展開している
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■ Case Study20
リーダーとして、先輩スタッフとして、忘れてはいけないこと「3現主義」
前号では、新人や新入社員などについて、書かせていただきましたが、今号は、それに対するリーダーや先輩スタッフに忘れてはならないことを記します。
「3 現主義」という言葉を、皆さまも一度は耳にしたことがあると思います。3 現、つまり“ 現場・現物・現実”の三つが重要であって、もともとは製造業の業界では鉄則のように扱われている考え方です。“ 現場” へ足を運んで、場の確認を行ない、“ 現物” を手に採り、物を確認し、“ 現実” をその目で見て、事実を認識する、つまりは、“ 場を見て、物を見て、実を見る”という意味です。現在の高度情報化社会になるにつれて、ひと昔前と比較して、格段に情報量も多くなり、さらに容易に即時的に情報を入手できる時代になってきましたが、その情報の精度も正直、まちまちです。チーム、組織からの情報や報告も、時にはバイアスがかかっていて、どこまでが真、正であるかを判断できるかは、なかなか難しいと思います。それゆえ、そのまま情報を鵜うの呑みにしていたら、事業や間違った方向へと進んでいってしまいます。リーダーや先輩スタッフは、そのためにもますます自身で「3 現」を実施して、把握、確認する必要性が高まってきています。
しかし今回、お伝えしたいことは、このような定義ではありません。この「3 現主義」の本質について、説明したいと思います。