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第112 回 鈴木 忠美  次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術これからの人材育成

第112 回「すべてに思いやりの心を」

【月刊HOTERES 2017年02月号】
2017年02月17日(金)
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鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉
1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

社員は褒めて伸ばせ
 皆さんも正月の箱根駅伝をご覧になったと思いますが、青山学園大学を3 連覇させたのは原晋監督の選手の育て方にあるという。その一つは選手を「怒らない」こと、もう一つは「上下関係を撤廃した」ことにあるという。これは私がいた盛岡グランドホテルとそっくりなやり方に驚いた。例えば上下関係をつけないという点ではまさに役職呼びではなく、トップから新入社員まで全員が『鈴木さん』という具合に〇〇さん呼びにしたことで、若い社員の意見が通る会社に大変身できたし、また考えてみれば私も26 年間ご一緒させていただいてトップから一度も怒られたことがなかった。まさに原監督も同じで例えばレース中に脱水症状でフラフラになった選手に、ほかの監督なら「気合い入れろ、頑張れ、踏ん張れ、たすきを絶対渡すんだ」と追い込むのに原監督は「大丈夫、みんな待ってるよ、スマイル、スマイル」という風に選手を追い込まない。またある部員が遅刻したときは怒るのではなく、「遅れるのは君にとって損なんだよ」とか、「ほかの人から信頼されないよ」というふうに諭すのだという。確かにリーダーは怒るのは簡単だがそれではメンバーは腐るだけ、それより褒めた方がメンバーは喜んで三倍働くのである。

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