本誌 松沢良治
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福島原発で多大な損害を被った福島県。多くの観光地は今でも風評被害が続いており将来展望が描けないでいる。
福島空港から車で10 分。母畑温泉という小さな温泉地がある。宿は全部で5 件。その中で1 件だけ全国規模で有名な旅館がある。7 代目オーナー渡邉忠栄(67 歳)氏が経営する「八幡屋」(145 室、800 人収容可能)がそれ。26 歳で東京から戻り旅籠屋の家業を手伝うことに。それから41 年。苦労に苦労を重ねながら商売のコツを学び、倒産の危機に瀕しながらも立派な大型旅館に育て上げた。
そうした中での大震災。売り上げは震災前の半分以下に。売り上げに合わせた体制に組織を変え、どうにか持ちこたえてきた。4 年が経過した現在で宿泊者数は8割程度に戻ってきている。