㈱龍名館 専務取締役
濱田裕章氏
前号からの引き続きですが、人材に関する課題について、今後の方向性は他業界と同等の待遇を目指すことと、生産性を上げていくこと、その会社で働く意義をしっかりと伝えていくことだと感じています。前号で待遇について触れさせていただきましたが、二点目の生産性を上げていくことについては、日本では製造業の生産性に対してサービス業の生産性が低いと言われており業界全体の課題であると感じています。
弊社では2009 年に開業したホテル龍名館東京を中心にIT 投資は積極的に行なっており、今年4 月には各メディアで客室清掃員向けとチェックイン手続き時にタブレットを導入したニュースも取り上げていただきました。しかしなかなか難しいと感じる面は、実際にこれまでのIT 投資によって人員削減が実現できたかというとそこまでは至っていません。もちろんIT 投資によって生まれた新たな時間を使って新たな付加価値を創造することにはつながっていると感じますが、製造業のように完全にロボットだけで一つの製品を作り上げるような大きな変革は起せていません。鉄道の改札も、私が幼い頃は駅員に定期券を見せており、多くの乗客が持つ定期券をどこまで正確に見ているか疑問に感じることもありましたが、今は自動改札機になり、改札にいた人員は削減できています。