ホテル・旅館のスパ経営における明暗の差が顕著になる中、長年スパの企画・運営に携わってきたザ・デイ・スパの河﨑多恵社長とともにスパ成功の秘訣を探る短期集中連載。今回は、神奈川・湯河原温泉の老舗料亭旅館「海石榴つばき」の/ ZEN STYLE SPAichirin が登場。野口観光株式会社常務取締役で山翠楼・海石榴の総支配人を務める山田拓磨氏とザ・デイ・スパの河﨑氏に旅館におけるスパの役割とスパが持つ可能性について伺った。
旅館経営に新風を吹き込んだスパ
野口観光グループが懐石海石榴の運営にたずさわられたのはいつごろからですか。
山田 2012 年7 月に野口観光が海石榴つばきと、隣接するゆば懐石山翠楼を取得し、グループ会社である野口リゾートマネジメントが運営を開始しました。取得後に野口観光グループから海石榴に赴任したのは私一人だけで、それ以外のスタッフは継続雇用という状況でした。当グループは北海道を中心にホテル、旅館を所有・展開していますが、都市部戦略を進めるにあたり箱根、湯河原、熱海エリアにもネットワークを広げる中で、海石榴はとても重要な施設と位置づけています。
海石榴の第一印象はいかがでしたか。
山田 首都圏からのアクセスのよい場所にありながら豊かな自然環境に恵まれた、まさに東京の奥座敷というロケーション。そして1978 年の開業以来、40 年あまりの間に築いてきたブランド力や顧客層の素晴らしさを感じました。