今回取り上げるのは山口県の県庁所在地、山口市である。山口県は福岡市・北九州市など近隣大都市圏の強い影響下にあり、山口市よりも下関市などそれらに近い都市が発展してきた経緯がある。山口市は平成の大合併により周辺の町を吸収し、現在の人口規模となった。以下に山口市のマーケットポテンシャルと山口県の観光マーケットを見ていこう。
1. マーケットポテンシャル
山口県の県庁所在地である山口市の人口は19 万625 人(2019 年3 月末人口)で、山口県内における人口シェアは13.9%となった。その他の県内主要都市を見ると、本州最西端の都市であり、関門海峡によって福岡県と接続している下関市が25 万9223 人で、県内で最も多い人口ボリュームを有している。それ以外では宇部市が16 万3430 人、周南市が14 万2187 人、岩国市が13 万3514 人、防府市が11 万5073 人で、山口市を含む6 市が県内における人口10 万人以上の都市となっている。山口市は県庁所在地でありながら、県内で最も多く人口が集中していない珍しいケースとなっている(図表1)。
増加率(19年/14年)を見ると、県内主要都市すべてにおいておおむね減少傾向にあることが分かる。その中で山口市は▲ 1.8%の減少で、おおむね▲5%~▲ 9%である県内主要都市内においては比較的減少幅が小さいと言える。下松市が0.5%でほぼ横ばい、防府市が▲ 2.0%、山陽小野田市が▲ 2.9%で、県南部の主要交通網沿いの都市で比較的減少幅が小さくなっている。
山口市の年齢構造を見ると若年人口比率は19.4%、適齢期人口比率は24.0%となり、若年人口比率は全国値(18.0%)を上回り、適齢期人口比率は全国値(25.1%)を下回った。その他の県内主要都市を見ると若年人口比率は防府市が18.2%、下松市が18.1%と、山口市を含むこの3 市のみが全国値を上回った。適齢期人口比率は県内主要都市すべてにおいて全国値を下回っている。県内においては山口市、下松市、防府市、宇部市が比較的適齢期人口比率が高くなっている。高齢者比率(65歳以上人口比率)を見ると、山口市は23.8%となっており、全国値(23.0%)を上回っている。県内主要都市すべてにおいて全国値を上回っており、30%以上の高い値の都市も見られる。若年・適齢期人口が県外に流出し、県内の高齢化が進展している状況と言えるだろう(図表2)。
将来推計人口を見ると山口市はすでに減少フェーズに突入してり、2040 年ごろには2010 年ベースから約20%程度減少するとみられている。その他の県内主要都市でも下松市以外は減少フェーズに突入しており、将来的には2010 年ベースの55 ~ 80%程度になると思われる。県内で人口規模が大きい都市では下関市、岩国市の2 市が急激な人口減少になるとみられているが、下関市は2040年ごろでも県内1 位の人口規模を有すると推計されている。岩国市は推計されている通りの減少となった場合、将来的に防府市の人口規模に近づくと思われる(図表3)。
----
※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入いただけますよう、お願い申し上げます。
2020年10月9日号ご注文フォームはこちら
https://ec.hoteresonline.com/products/list.php
2020年10月9日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《山口市編》
観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《山口市編》
【月刊HOTERES 2020年10月号】
2020年10月07日(水)