左上から3代目のエルフと4代目のエルフでは、助手席ドアの形状が異なるのが分かるだろうか。3代目では、窓ガラスとドアの境界線は、地平と平行に区切られているのに対して、4代目ではトラックの先頭に近づくにつれ、くぼんでいく。このくぼみで、トラックが左に曲がる際に、今まで見えにくかったバイクや自転車の問題を解決した。
今では当たり前となった、助手席側のドアと窓の形状は、当時のエンジニアたちが、悩んで、悩んで、たどり着けた設計仕様であった。できたものを見てしまえば、ないのが不思議かもしれない。しかし、ここを思いつくのも、形にするのも、そんなには簡単ではなさそうだ。車重は軽くし、運転手を守り、運転中の視界を限りなく広く取る。この相反する設計仕様をかなえていく必要があるからだ。
2019年11月1日号 サービス・イノベーション-Part2
153 商品・サービスは生まれ変わっているか
【月刊HOTERES 2019年11月号】
2019年10月31日(木)