外食業界でもトップリーダーの一つと言っても過言ではない経営規模を誇るクリエイト・レストランツ・ホールディングス。2020 年に向け2000 億円企業へのビジョンを掲げる同社は多岐にわたるブランドを持ち、連邦経営を成功させていることでも有名だ。今回はクリエイト・レストランツ・ホールディングスの戦略、そしてビジョンについてお話を伺った。
㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングス
代表取締役社長 岡本 晴彦 氏
(Haruhiko Okamoto)
1964 年兵庫県生まれ。東京大学卒業後、三菱商事㈱に入社。日本ケンタッキー・フライド・チキン㈱に出向し、スープストックトーキョーの立ち上げに携わる。三菱商事㈱に在籍中の99 年に㈱クリエイト・レストランツを創業し、代表取締役専務として出向。2003 年に三菱商事㈱を退社し、代表取締役社長に就任。05 年に東証マザーズに新規上場(2013 年に東証一部に市場変更)した後、10 年に持株会社体制に移行し、㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングスに商号変更、代表取締役社長に就任。現在に至る。
㈱クリエイト・レストランツ・ホールディングス 〒141-0022 東京都品川区東五反田ビル5‐10-18 TEL:03・5488・8001 ㈹ http://www.createrestaurants.com/
マルチブランド・マルチロケーション戦略
❒ イクスピアリの直営飲食事業を譲り受けられ、新たに「㈱クリエイト・ベイサイド」を作られたことが話題になりました。御社は以前からM&A をされることで飛躍的に伸びられた印象の強い企業でもありますが、M&A についてどういったお考えや戦略をお持ちかお聞かせください。
それにはまずわが社の歴史をお話しします。もともと私は三菱商事時代、ケンタッキーでの経験はありましたが、その他はオリエンタルランドと共に立ち上げた「レインフォレストカフェ」での経験といったところで、飲食業界について未経験に近い状態でスタートをしました。そこで、この状況で自分が勝つにはどうすればいいかということを考えた際に行きついたのが“マルチブランド・マルチロケーション”という戦略です。これを実験しつつ、進めてきました。
❒ マルチロケーションについては外食産業においては比較的多くの企業がとる戦略ですが、そこにマルチブランドを組み合わせるというのは難しさもあり、マネージメント面でのご苦労もあるかと思われます。御社がマルチブランド戦略でも成功されている理由はどこにあると思われますか?
当社ではM&A をしたブランドはすべてそれぞれの社長を残し、組織や人を生かしたまま事業会社としてグループに所属する連邦経営体制をとっています。ですから“当社統一の色”に皆さんが染まることを求めるのではなく、むしろそれぞれのブランドが培ってきた文化や歴史、やり方をリスペクトすることをよしとしています。そうすることでおのおのが持っている“個性”をより生かすことができますし、それができる仕組みを作れていると自負しています。