説明、報告、検証
信頼の積み重ねが未来を動かす
 
内田　従来やってこなかったことをやると組織だと反発や反感を持つ方もいると思いますが、周囲との関係構築はどのようになさったのですか。
 
﨑田　市民の方はとても好意的に受け取って下さいましたが、おっしゃるように周囲からの声がまったくなかったわけではありません。特に、市民の代表者でもある議会において、少しでも心配しているような素振りが見えたり、声が聞こえてきたときは、きちんと説明に伺うことを常にスタンスとして持っていました。周囲に理解し納得いただいた上で、物事を進めていくために事前に行なうようにしています。加えて、実施したことや取り組んだことに対する結果の報告も欠かしません。もちろん失敗もありますから、その際は正直に伝え検証を行ないます。その小さな積み重ねが信頼につながり、やりたいと思ったことをやらせてもらえる機会も増えましたし、一番喜ばしいことは、職員から提案や企画が上がってくるようになりました。
 
内田　今後の目標や取り組みについてお聞かせ下さい。
 
﨑田　自治体イメージの確立、企業誘致による雇用の創出と段階的にステップアップはしていますが、まだ若い人の定着を実現できる段階まで来ていないので、ここから進出企業への採用をどのように成功させるかが非常に重要な課題です。採用がうまくいかなければ企業の期待を裏切ることになりますし、継続的な採用がなければ現状を打破することはできません。また、成功に導くことで企業間の採用に競争が生じ、企業の考え方に変化が起きると思いますし、待遇面向上のための業務効率の改善は、今後地方において企業が生き残っていくための必須事項なのです。他にもいろいろとありますが、「日本一組みやすい自治体」を進化できるよう常に努力を怠らず、スピード感を持って、これからも挑戦し続けたいと思います。そのことが、多くの企業に評価をしていただき、産業の活性化、人材の定着につながっていくと考えています。