リゾート、アーバンリゾートなどタイプに合わせコロナ禍での集客に注力
---昨年から続いている新型コロナウイルスの影響はホテル業界に大打撃を与えました。ヒルトンとしてもそれは同様であると思います。その中で、ヒルトンとして、さらにはその中でもラグジュアリーセグメントのホテルでの取り組みや、そのマーケットの反響などについて教えていただけますでしょうか?
確かに今回の新型コロナウイルスの影響はヒルトンにとっても大きなものでした。しかし一方で、ヒルトンとして最初に考えたのはお客さまとチームメンバーの安全です。ヒルトンでは昨年4 月、新型コロナウイルスが拡大する初期から新たな衛生・消毒基準「ヒルトン・クリーンステイ」を策定し、お客さまに安心してお越しいただける、そして、チームメンバーが安心して働ける環境づくりに取り組みました。
さらに、7 月には特にラグジュアリーセグメントの全てのホテルにとって重要な、会議やイベントに関する新基準プログラムである「ヒルトン・クリーンステイ」の衛生基準を導入した『EventReady』を開始しました。
こうした有事へのスピーディー、かつ的確な対応はヒルトンの100 年以上にわたるホテル運営の経験によるものです。また、特に私が担当するラグジュアリーセグメントのホテルは客室や宴会場など面積も広く、ソーシャルディスタンスは十分に確保できます。そうしたことも取り組みがお客さまに受け入れられた理由でもありました。
---新型コロナウイルスの拡大以降、ホテルにお客さまにきていただくために、ラグジュアリーセグメントのホテルはどのような取り組みをしたのでしょうか?
コロナ禍においてもモルジブやドバイ、ボラボラ、三亜など、リゾートエリアはほかのエリアと比較して多くのお客さまに来ていただき、渡航制限の影響を受けながらも業績は堅調に推移をしていました。
また、アメリカやヨーロッパ、アジアの都市部やアーバンリゾートタイプホテルにおいてはステイケーションのビジネスに注力しており、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地で成果が出ています。新型コロナウイルスの影響でステイホームの環境が続く中旅行意欲が高まっており、海外旅行に遊びに行けない方に合わせた滞在経験を提供しており、そこに魅力を感じていただいているのだと考えています。
日本でも、Go To トラベルキャンペーンがホテルにとって非常に力強いサポートとなりました。ヒルトンの業績を見ても、国内全体の旅行が盛り上がったのではないでしょうか。また、レストランも地元の方を中心に多くの方にお越しいただけました。
こうした状況を見ても、第三波の拡大やワクチンの接種開始などさまざまなニュースが出てその度に旅行需要は影響を受けますが、間違いなく旅行に行きたいというニーズはあるのだと感じています。