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リュミエールインタビュー クボタ 業務用加湿空気清浄機 ピュアウォッシャー Special Interview

価値あるホスピタリティーを支える 「安心・快適」が空間づくりの真価となる時代へ

2020年12月23日(水)
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地域をもてなす店舗づくり お客さまも従業員も、安心な空間を目指して

ホテルやレストランが存在意義を大きく問い直されることとなった昨今。その中で、より良い空間づくりに向けて積極的な取り組みを行なっているのが、ミシュランガイドで12 年連続星を獲得する「リュミエール」オーナーシェフ・唐渡泰氏だ。大阪市内で8 店舗を展開する経営者でもある唐渡氏は、店舗の空間づくりの一環として、グランフロント大阪内「リュミエール大阪KARATO」に、クボタの業務用加湿空気清浄機「ピュアウォッシャー」を導入した。彼が料理だけでなく「空間」にこだわる背景とは。そして、これからの時代に求められるホスピタリティーの価値とは―。自身のフィロソフィーを交え、語っていただいた。

㈱ケイクール 代表取締役/リュミエール オーナーシェフ 唐渡 泰氏
㈱ケイクール 代表取締役/リュミエール オーナーシェフ 唐渡 泰氏

唐渡 泰(KARATO YASUSHI)
数々の名店・ホテルで修業後2006 年大阪・心斎橋に「リュミエール」を開業する。開業1 年目に『ザガットサーベイ』でトップランキングを獲得。シェフとして第一線で“ 野菜の美食” をテーマに自身の料理を追求しながら、レストラン経営、飲食事業のプロデュース、フランス老舗紅茶「ダマンフレール」の輸入を行なう。リュミエールグループ代表として現在、8店舗(レストラン4店舗、ティーサロン2店舗、カフェ1店舗、ブーランジェリー1店舗)を展開。食育や地域の食文化振興、各料理コンクールの審査員、国内外での美食会・コラボレーションイベントに参画する。リュミエールでは「ミシュランガイド」12 年連続星を獲得。著書『野菜の美食』(京阪神エルマガジン社)。
2021 年1 月21 日 大阪・心斎橋 「ビストロカラト」開業予定。

リュミエール大阪KARATO
大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館8F 
TEL 06・6485・7515
http://www.k-coeur.com/

初めから料理人になりたいわけではなかった ミシュランシェフ・唐渡泰の“原体験”

―まず始めに、唐渡さんが「リュミエール」というお店に、そしてグループ全体に込める思いについてお聞かせください。

「その土地の人々の居場所となるような、その土地の自慢になるような場所を作りたい」というのが根底にはあります。その背景にあるのは、子供のころ父の仕事の関係でいつも私は転校生でした。大きな組織の会社員だと転勤は付き物ですが、お店を構えて商売をなさっている方は、その土地に根付き、地域を育んでいる。そんなことから、小学生のころから将来はお店がしたいと漠然と思うようになりました。お店がしたいという思いが先にあって、その手段として料理人の道に進んだという感じです。

 そして自身の店で手掛ける料理については、街の人に、子、親、祖父母と3 世代で来て楽しんでほしい。お客さまにも料理人にも体の中から幸福感が得られるごちそうを…と考えたとき、フランス料理の素晴らしい伝統、テクニックは駆使しながら、本来欠かせないバター、クリームや小麦粉を使わないことで、子どもからお年寄りまでが、一緒に楽しんでいただける料理を提供したい。そうした思いから、野菜で味を構成する「野菜の美食」をコンセプトにしました。

 お店を続けるにあたり何より不可欠なのは、ともに日々おもてなしを提供するスタッフたち。スタッフにとっても良い「居場所」をつくることが、お客さまの満足度にもつながります。今では8 店舗を運営していますが、結果につながらない無駄な手間を減らし、お客さまをしっかり見て、目の前の仕事と向き合い、気持ちよく働いてもらうことが重要です。また厨房づくりは、吸排気を計算して可能な限り涼しくしたり、作業動線をとことん工夫し、動線には側溝をなくしたり、常識的には水が流れやすいように傾斜が付いている床をフラットにしたり、料理人が少しでもストレスなく働けるよう、絶えず改善に取り組んでいます。

 

料理人として、レストランの経営者として その存在意義を改めて問い直す

―これまでさまざまな経験をされてきた中、このコロナ禍をどのように見ていますか。

 料理人の存在意義、お店の在り方、会社としての方向性を改めて考え直しました。経営者は事業を継続させて、雇用を安定させることが何よりも大切です。今回、ビジネスとしては根底から揺らぐ事態でした。グループ全体の売り上げはゼロに近づく壊滅状態になりながら、スタッフの雇用を守る、給料を払う、固定費を支払うなどなど、お金のことはもちろん大変ですが「人が集まる危険な場所」として閉鎖を余儀なくされるのは、大きなショックでした。料理人は料理を作れなくなり、サービスマンは接客できなくなり、大きな夢を持ち入社したばかりの新入社員は自宅待機、「ほんとにこの仕事を選んでよかったのだろうか」「こんなに儲からない仕事をしていてよいのだろうか」多くの人が、自分たちの仕事に、自分たちの存在価値に疑問を持ったことでしょう。

私自身もそんな呪縛をふりほどくがごとく、頭フル全開で今何ができるか、いかに凌ぐか、1 円でも稼ぐ方法はないか、リュミエールグループの出口戦略はどう進めるか、さまざまなことを見直し、まったく時間が足りない数カ月を過ごしてきました。そして、人が生きていくためにハイエンドな料理が必要なのか? と考えることもありました。しかし、自粛期間明けに来店された方が「こんな料理がまた食べられるようになって本当に良かった」「また明日からも頑張ろう」などとおっしゃってくださった。単に空腹や栄養を満たすというだけでしたら、もっと手軽に安く食べられるものはたくさんあるはず。でもそれだけでなく、生きる活力、心を満たす役割が美食にあると再認識したのです。

 自粛後は外食の機会が減り、以前より外食が特別なことだという認識になりつつあります。だからこそ、その機会に選ばれる場所にならなければと感じています。料理もですが、空間づくりもその一つですよね。お客さまの安全や健康を守る使命が、外食にも課されている気がします。

 

―安全にも気を使われている。
 
 もちろん、コロナ対策という意味でも、安心して楽しめる空間にするためにどうしたらいいのかを第一に考えました。席数も減り、売り上げも100% には戻らない。その中で利益をどう残し、高水準を維持していくかは課題です。当然スタッフはマスク着用、入店時の手指の消毒も実施しています。ただまだまだ情報が煩雑で何が基本になるのか、このままマスクで笑顔が見えないレストランサービスになるのかも分かりません。
 その中で、お客さまが安心・安全と感じられ、心から楽しめる環境を全力で作り、体に良いご馳走を作っていけたらと思っています。

 

安心・快適な場づくりが 今後の外食空間の“当たり前”に

―これまで、唐渡さんが数々の場面で、“お客さまの居場所”を作るために工夫されるお話を聞いてきました。今回「ピュアウォッシャー」を導入されたのも、そういった思いの表れなのでしょうか。

 コロナを受けて、経営者として改めて、従業員とお客さまに安心な空間を提供する必要性を感じました。コロナに限らず、また別のウイルスがやってくるかもしれないし、持続可能な対策方法でなければならない。そう考えた時に「ピュアウォッシャー」のお話を伺ったのです。最初は微酸性電解水を噴射するのかと思って、食事の場では…と躊躇
((ちゅうちょ))しました。しかし、「取り込んだ空気を、機内で生成される電解水で洗ってきれいにする」という仕組みを聞いて、これはすごい話だなと。しかも200㎡の除菌、消臭、加湿、空気清浄が1 台で網羅できる設備なんて、ほかにありませんよね。あるホテルの従業員食堂への設置を検討されているお話も印象的でした。ホテルでスタッフが座れる場所は食堂くらいしかないのです。だから、そこで安心できるのは大きい。心からリラックスできる場所が少ないご時世だから、お客さまもこの設備があることで、少しでも安心していただけるのではと思います。

 もちろんクボタの製品であるという安心感も導入の決め手です。クボタさんと言えば「世界的な農機メーカー」というイメージが強かったのですが、今回お話をするなかで、明治期に伝染病が流行した際に、国産初の水道管の生産を行なったことに始まり、その時代ごとの社会課題と向き合い、その解決のためにさまざまな事業に取り組まれてきたことを知りました。社会・地域と向き合い、ベンチャーマインドを持って事業に取り組まれておられる点は、僭越ながら私と相通ずる部分もあるのではないかと感じています。

 

―「ピュアウォッシャー」を設置されてみていかがでしたか。

 私はにおいには超敏感で、調理場では微かな悪臭でも許せない潔癖料理人です。都会の空気が気になり「リュミエール」開業時には空気清浄機を3台置きました。もちろん自宅にも。空気にはうるさいのです(笑)。そんな私が今、明らかに空気がきれいになったと実感しています。女性スタッフからは、肌が乾かない、うるおいが違うという声も上がっています。また、「ピュアウォッシャー」から取り出せる微酸性電解水を活用して、調理場の掃除に使ったり排水溝に流したりしているのですが、そのことで、調理場やグリース・トラップからの気になるにおいが減っているという声もあります。グリース・トラップの清掃はものすごく手間がかかり、毎日1 時間かかる作業をスタッフに課してしまっているので、できたら週に一度とか、頻度を減らせるに越したことはなく、とても助かりますね。また給排水を直接つなげているので、給水などの手間が増えず、自動で作動、自動洗浄と手がかからないところも素晴らしいです。お客さまも気にされており、ご説明すると、非常に安心していただいています。

―最後に今考えていること、そして今後の目標をお教えください。

 コロナ禍を通じて、自分がこれまで取り組んできたこと、自分の存在意義をも考え直すこととなりました。そうしたときに、自分の原体験や、これまでの経験は、すべて今に生かされているということ、そして自分のやってきたことは、たくさんのお客さまに支持されて成り立っているのだということを再確認できました。
独立する前の話ですが、ホテル勤務時代、宴会部門の料理長を務めさせていただくという辞令を受けました。当初は「フレンチレストランをやりたいのに」と不本意でした。ですがそこで得たことは、8店舗を経営する立場となった今の自分の礎になっています。フレンチの世界だけを見ていたら、多くの店舗を経営することはできなかったかもしれないです。サービス、洋食、フレンチ、シャルキュトリー、ホテルと、これまでさまざまなことを経験させていただきましたが、振り返ると、好きも嫌いもすべての経験が今につながっていると感じます。なんか経営者っぽい話が多くなりましたが、料理人の修業はどこで働くかは大切ですが、どう働くかが最も重要ですね。

 私の座右の銘は、「今日の最高は、明日の最低」。もっと良い方法はないか。もっとおいしくできないか。もっと面白いことができないか。もっともっともっと…。
 今は当たり前でも客観的に見ると、「なぜそんなことを?」ということはまだたくさんあると思うのです。常識にとらわれることなく、スタッフとともにより価値のあるホスピタリティーを提供すべく、そして食のビジネスが夢ある仕事として永遠に継続できるように、挑戦を続けていきたいと考えています。

 

「リュミエール大阪KARATO」の開放的な空間。コロナを受けてテーブル間は1m以上離され、カウンター席は廃止された
「リュミエール大阪KARATO」の開放的な空間。コロナを受けてテーブル間は1m以上離され、カウンター席は廃止された
ミーティング風景。シェフ、料理人、サービススタッフと、キャリアや肩書きに関係なく意見を出し合える風通しのいい関係だ
ミーティング風景。シェフ、料理人、サービススタッフと、キャリアや肩書きに関係なく意見を出し合える風通しのいい関係だ

入り口近くに設置されたピュアウォッシャー。右側のミニキッチンの給排水管に直結されている。音が静かで客席の会話を邪魔することはない
入り口近くに設置されたピュアウォッシャー。右側のミニキッチンの給排水管に直結されている。音が静かで客席の会話を邪魔することはない

機内で生成される微酸性電解水は、取り出して清掃に活用することができる
機内で生成される微酸性電解水は、取り出して清掃に活用することができる
取り出した微酸性電解水でテーブルを拭くスタッフ
取り出した微酸性電解水でテーブルを拭くスタッフ
微酸性電解水を排水溝に流すことで、においの軽減にもつながっている
微酸性電解水を排水溝に流すことで、においの軽減にもつながっている

搬入・設置の専任スタッフが安全に作業を行ない、サービススタッフが分かりやすく操作方法をご説明します。

ピュアウォッシャーは給排水管の接続が必要。事前にミニキッチンに用意していた給排水管に取り付けたホースと、本体からのホースを化粧板に通して結合する
ピュアウォッシャーは給排水管の接続が必要。事前にミニキッチンに用意していた給排水管に取り付けたホースと、本体からのホースを化粧板に通して結合する

設置場所に応じて、転倒防止板で固定するか、床面のコンクリートにアンカーで固定する方法がある
設置場所に応じて、転倒防止板で固定するか、床面のコンクリートにアンカーで固定する方法がある
店舗の営業時間に合わせて、タッチパネルで曜日毎の運転スケジュールや洗浄時間を設定することが可能。画面ロック機能が付いているので安心
店舗の営業時間に合わせて、タッチパネルで曜日毎の運転スケジュールや洗浄時間を設定することが可能。画面ロック機能が付いているので安心

店舗でのメンテナンスは、2週間から1カ月に1回の2カ所のフィルタ清掃と、3週間から4カ月に1回の薬液カートリッジの交換のみで、従業員の負担も少ない。また、クボタの定期メンテナンスは6カ月に1度訪問してくれる
店舗でのメンテナンスは、2週間から1カ月に1回の2カ所のフィルタ清掃と、3週間から4カ月に1回の薬液カートリッジの交換のみで、従業員の負担も少ない。また、クボタの定期メンテナンスは6カ月に1度訪問してくれる

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