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第二回 キャリアデザインは口に出して言え 福永健司のキャリア論

人は亡くなる前に昔の思い出が走馬灯のように駆け巡ると聞きます

2015年09月09日(水)
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福永 健司 プロフィール

 
 2011年3月14日。この日の思い出は個人的にその1つになるであろうと確信しています。
 
 その日は日本中のみならず世界中を驚愕させた東日本大震災の3日後。個人的には夢にまで見たホテル総支配人としての初仕事の日でした。そして着任場所は東日本大震災の中心ともいえる仙台。この状況を予想することは不可能に近かったといまだに思います。
 
 突きつけられた現実は初の総支配人業務、縁もゆかりもない土地。そして、容易に想像がつく現場の混乱。正直、不安がないといえば嘘になる状況でした。
 
 当日は東京からの移動となりましたが、仙台行きの東北新幹線はおろか震災の余波で都内の交通機関もまだ安定運行ができていない中、やむなく東京より新潟に向かうことにしました。新潟駅より車にて移動をし、道中、救援物資を買い込み、そして途中からは信号機は故障、電柱が横倒しになる風景の中、仙台に到着しました。
 
 待っていたのは不安顔のホテルスタッフの面々。その時点では全スタッフ、そしてその家族の安否すら判明していませんでした。
 
 その後も度重なる余震、止まったままのガス、物資の不足、そして明らかになる、甚大なる被害状況…。原発による大きな影響もあり、緊急避難用のバスの手配、ガソリンの確保に奔走しながらスタッフ、そしてその家族の安否確認を進め、歴史の教訓(阪神淡路大震災の際は設備や補修関連の方々の不足が大きく、早め補修関連者の確保をしないと後回しになったそうです)から被害状況の認識とそれに沿った補修計画を実践しました。
 
 同時進行で営業再開に向けた営業・マーケティング、そして運営計画の早期立案ならびに実行。その後、ホテルスタッフ、周囲の協力と理解を得ての躍進、躍動。復旧から復興へ!
 
 観光で日本を元気に!何よりそれを実践するホテリエを元気に!
 
 とんでもない状況下でも気持ちが折れなかったのはキャリアデザインにヒントがあった。
 ホテリエによるホテリエのためのホテリエのキャリアについての提案、いよいよ開幕です。

※本連載は以後隔週での掲載となります。
 次回(第三回)は9月24日(木)に掲載予定です。

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