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2020年11月27日号 トップインタビュー ザ・リッツ・カールトン日光 総支配人 細谷 真規氏/総料理長 早坂心吾氏

トップインタビュー ザ・リッツ・カールトン日光 総支配人 細谷 真規氏/総料理長 早坂心吾氏

【月刊HOTERES 2020年11月号】
2020年11月25日(水)
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ホテル運営とは「人を魅了させること」

□栃木県初のラグジュアリーホテルとして7 月15 日に開業し、間もなく5 カ月目となります。

細谷 まずは「ザ・リッツ・カールトン日光」のある奥日光についてお話しさせてください。ホテルから望める男体山は、約1200 年前に開山し長らく山岳信仰の聖地として、一般の人が足を踏み入れることのできない場所でした。この奥日光エリアも約150 年前ごろから、ようやく人が住み始め、明治時代に自然豊かな避暑地としての魅力を見出したのは外国人でした。その後、中禅寺湖畔にはヨーロッパ各国の大使館や外交官の別荘が建ち並び、日本を代表するリゾート地へと発展したという歴史があります。

そして「ザ・リッツ・カールトン日光」が建つ中禅寺湖畔には、かつて外国人たちに愛された「レーキサイドホテル」がありました。日光金谷ホテルに初代の通訳兼支配人として勤務した、坂巻正太郎氏が1894 年に創業し、その後、外交官や上流階級の社交場を担ってきました。そういった歴史ある場所に、今回、ホテルブランドとして「ザ・リッツ・カールトン」が選ばれ、開業できたのは誇らしいことです。敷地内のいくつかの大樹は現存させ、所蔵の日本画の一部もアライバル・ロビーに受け継ぎました。

温泉は、「ザ・リッツ・カールトン」として初の取り組みです。私は常々「ホテルは人の五感に訴えかけ、魅了しなくてはならない」と思っていますので、ブランド初の温泉でもムードを演出するために、湯が流れる音の響きや、光のアングルやボリュームにこだわりました。また、館内で使用しているヒノキベースのフレグランスや、客室に用意した浴衣なども意図して選ばせていただきました。 営業面では、「GO TO キャンペーン」を利用して、関東からのお客さまも増えていますが、Covid19( 新型コロナウイルス感染症) の対策として、稼働率はソーシャルディスタンスやゲストの滞在における快適さを考慮した数値に制限しています。

 

連泊こそ楽しめる魅力的なアクティビティーを

都内から2 時間半という場所にあることから、多くのお客さまが1 泊2 日でのご利用です。しかしながらこのスケジュールだと、館内の施設を満喫するだけで過ぎてしまい、この土地が持つ魅力を充分に体験できていません。奥日光エリアは半径約10km の広さに湖、山、滝、湿原、森林という多彩な自然美が楽しめます。ハイキングやツーリングで、1 日のうちにさまざまな景色に出会うことができるのも特長です。地元の方々が長い間、守ってきた特有の魅力をもっと全国に広めたいと思い、ホテルではさまざまなアクティビティーを用意しています。

例えば、由緒あるお寺の僧侶をお招きして、ホテル館内で行なう座禅体験や、ホテルの温泉を引く湯元エリアのハイキング、また電動マウンテンバイクで一般車が入れないルートをダウンヒルし、中禅寺湖の向こう岸まで行き、帰りは迎えの船に乗って湖上を渡りホテルの目の前まで帰ってくるプランなども造成しました。実は北海道と同等の雪質を誇る稀けう有なエリアでもありますので、ウインターアクティビティも活性化していきたいと思います。外国人のお客さまのように、連泊してこの地を存分に楽しんでいただきたいですね。そして日本を再発見していただきたいと思っています。隣接する周辺の宿泊施設や地方自治体と情報交換をしながら、共に地方創生を担っていきたいと思います。

 

□県内初のラグジュアリーホテルとして、スタッフをどのように育成していきますか。

奥日光の魅力を知ってもらうためには、いかに地元の人と一緒に地域を盛り上げていくかということがKey になると考えています。地元(栃木県)の生産者や作家の方々との絆、先にお話しししたローカル企業との協力も重要ですが、ホテルの人材も、「栃木の魅力を世界中の人に知ってもらいたい」という栃木愛を持った人材を積極的に採用しております。知識やテクニカルなものはいくらでも学べますが、その人が持つ熱意や経験だけでカバーできるものではありません。ザ・リッツ・カールトン流のもてなしの哲学を理解し、ゲストに感動を与える資質と熱意にあふれる人材を、個々に面談を行ない発掘しています。

採用の一例ですが、将来、一流のホテリエを目指す宇都宮出身のスタッフを採用しました。スイスのホテル学校に行く前の半年ほどの短期でしたが、少しでも世界的なブランドのノウハウを学びたいという熱い思いに私自身も感動し、その熱意に応えたく採用に至りました。ホテル学校で学んだ後、「また栃木に戻ってここで働きたい、そして栃木のために貢献したい」という熱いハートで、栃木を引っ張ってくれる若きホープになってくれることでしょう。

ザ・リッツ・カールトン日光では、多くの若者たちに成長する機会を与え、今後、観光立国を目指す日本のホスピタリティー産業をけん引していく総支配人の卵を育成していきたいと考えています。

 

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