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2020年6月12日号 トップインタビュー 一般社団法人日本旅館協会 会長 北原 茂樹 氏

トップインタビュー 一般社団法人日本旅館協会 会長 北原 茂樹 氏

【月刊HOTERES 2020年06月号】
2020年06月11日(木)
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コロナ収束後の国内旅行の需要に向けたアプローチから観光振興策をスタート

---新型コロナウイルスの危機が発生してから、日本旅館協会としてどのような対策を講じてきましたか。

 新型コロナウイルスの発生当初、これほど大きな危機になるとは残念ながら私たちには予測できませんでした。初動が遅れてしまったため、より大変な事態を招いてしまったという後悔の念も抱いています。もう少し早くさまざまな動きが取れていればよかったと思い返す面もありつつ、遅ればせながら日本旅館協会として情報を精一杯集め、必要な動きを進めてきました。

 新型コロナウイルスは未曾有の経済危機をもたらしていますが、それに対して政府与党もかなり動いてくださっています。まずは旅館の営業ができなくなる事態を念頭に置き、旅館業界の中小企業に向けた資金繰りに絞り込んだ対策に取り組んでいただきました。協会からも政府与党に対して財政金融施策に関する無理な要求をしましたが、結果的に大筋で認めていただくことができました。

今回の危機によって生じた運転資金の新たな借り入れの返済が始まったとき、果たしてそのインパクトに自分たちは耐えられるのか。そのことが会員の皆さまにとって最大の心配事になっています。

 将来その分岐点が訪れたとき、今後も旅館の経営を続けていけるのか、あるいはそこで経営から手を引くことになるのか、どうしてもネガティブに考えてしまう会員の方々もたくさんいらっしゃいます。協会の役割としては、何とかポジティブな発想につながる方策を提示しなければならないと考えています。

 今回の助成では運転資金は最長で5年間据置で借りられ、実質的には利息さえ支払えば5 年間返済が猶予されます。この制度を活用することでとにかく当座をしのいでいただき、並行してその後の返済に関する条件緩和について政府与党の方々に協会として働きかけを続けていきます。

 

---資金繰りのほかに、政府に提出した要望書に織り込まれた内容にはどのようなテーマがありましたか

 一番の肝となるのが、「Go toキャンペーン」の名称で実施予定のV 字回復を目指した観光振興策についてです。観光庁、経済産業省と観光業の各団体がタッグを組み、日本の観光の復興を目指した新たな取り組みを推進しようというものです。

 コロナの収束時期については依然として見通しが立ちませんが、いずれにしてもインバウンドに関して今年か来年の内に回復させるという考え方は現実離れしているというのが一般的な見方でしょう。まずは国内旅行の需要へのアプローチから始める方向でさまざまなビジョンを描いていこうと思います。

 実際の取り組みにあたっては、旅行エージェント、運輸企業の関係者の方々と旅館やホテルなどの受け入れ施設が、オールジャパンで国内旅行の振興に向けていかに尽力できるかがポイントとなるでしょう。具体的な構想としては、半額の割引価格でお客さまに商品を提供していきたいと考えています。その後押しとなる国からの補助金の総額は1 兆7000 億円です。

2021 年には延期された東京オリンピック・パラリンピックが開催予定ですが、その時点でもインバウンドに目を向けず、少なくともこの2、3 年は国内旅行の振興に注力していきたいと思います。そして3年後以降から、インバウンドに戻ってきてもらうための施策を打っていくというのが今のところのロードマップです。

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