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インタビュー  デービッド ブーレイ 

日本の伝統食材に出会い、新たな気付きを得る それらを活かし食と健康、食と科学との結びつきを啓蒙していきたい(後編)

【月刊HOTERES 2019年06月号】
2019年06月21日(金)
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ニューヨークを代表するトップシェフとして知られるデービッド・ブーレイ氏。早くからフレンチに和食の要素を取り入れるなど、日本とのつながりも深い。

2016 年には、日本政府から「日本食普及の親善大使」に正式に任命され、世界に和食の魅力を伝える役割を果たしている。彼が着目しているのが、食と健康、食と科学との結びつきを広く啓蒙すること。その活動に至った経緯、取り組み内容、今後の動きをその活動に至った経緯、取り組み内容、今後の動きなどをインタビュー。

本誌では先週から2回に分けてその内容を紹介している。今回は、料理人として科学を理解する必要性や日本食材との出会い、デービット氏新たな挑戦について紹介する。

●デービッド・ブーレイ氏
幾度もミシュランの星を獲得した人気フランス料理店「ブーレイ」のオーナー兼、天才シェフ。“ ブーレイ・マジック” と称される彼の創造性あふれる料理は、多くの人々を魅了している。60 代を迎え、日本への武者修行の旅へ出たことも。各地の伝統食材から学んだ知識を生かし、美食の世界にさらなる革命を起こしている。

 
バクテリアを語るなら、
日本はベストな場所
 
❒ デービット・ブーレイさんは日本に強い関心をお持ちです。その理由をお聞かせください。

 
 日本にはたいへん健康的な料理を作るシェフが多くいるはずですが、自分自身でそれに気づいていないようです。
 
 何百年も前から、小さなバクテリアが私たちの生存競争を手助けしてくれています。今日、私たちは、膨大な数のバクテリアの存在を確認しています。バクテリアは変化に対して素早く、そして絶えず適応しており、これが進化の鍵になっています。バクテリアについて語るなら、日本はベストな場所です。それだけに、私は日本に滞在したいという思いがとてもとても強いのです。
 
 日本には、ぬかや麹といった発酵食品が多数あります。豆腐よう、すんきは異なるバクテリアを使ったものです。どのバクテリアも素材そのものを生かすだけでなく、風味まで引き出しています。バクテリアがどのように機能するかを理解すれば、自分で料理に取り入れることができるのです。
 
 
❒ 料理家ももっと科学への理解を深めるべきだと説いておられますが、理由をお聞かせいただけますか。
 
 私は科学についてもっと学ばなくてはならないと考えています。私が最初に関心を持ったのは、減塩が必要なお客さまが来店されたときで、食と科学について理解しなければならないことに気づきました。
 
 長野に在住する発酵の専門家と一緒に、最近ニューヨークへ行きました。彼が全く新しいテクノロジーを披露してくれたのです。彼は今、乳酸菌を鶏卵の孵化に利用する研究を行なっており、これによって消化器系の強化が図られるとのことでした。彼を連れて行った先々で、私が見聞きした内容はとてもエキサイティングなもので、すべてがうまくいくのではないかと感じました。私だけではなく、きっと多くの人が賛同するはずです。私たちは彼から本当に多くのことを学びました。
 
 もし皆さんが健康を維持するために本気でハードなトレーニングに取り組んでいたとしても、きちんと食べていないのであれば、健康問題に直面するでしょう。人間の腸の中には、およそ50 兆個のバクテリアが生息しており、摂取した食べ物を善玉、悪玉のビタミン類に変えています。この悪玉のものがストレス耐性を持つレベルに達すると、コレステロールを一日中作り出します。この種のバクテリアは暴力的、攻撃的となり、血管の壁を突破して血流に乗って身体をめぐるわけですが、この血中毒性がうつやパーキンソン病といったものにつながるのです。
 

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