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連載 11 レジャー産業研究会グループ8 ∞“Boys be ambitious”∞ ~少年よ、尽きることなく限ることなく大志を抱け~ 連載 ⑪ 加藤 誠司氏 

お客さまもスタッフもストレスなく 過ごすことができる環境を作りげていくこと

【月刊HOTERES 2018年06月号】
2018年06月22日(金)
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▶入社後の配属先は海外部ではなくマンション担当でしたね。
 
 思い通りに海外部への配属は叶いませんでしたが、後に天皇陛下の御所を設計した内井昭蔵先生とのお仕事もありました。内井先生は東急田園都市線の青葉台駅が開業して3 年後、1969 年4 月に竣工した「東急ドエル 桜台ビレジ」の設計をされました。青葉台駅から徒歩15 分の位置にあり、デザイナーズマンションの先駆け的な存在です。今でも人気のヴィンテージマンションで、神奈川県建築コンクール優秀賞や日本建築学会賞を受賞しています。マンション入り口から各住戸までの長い外廊下があり、四季折々の香りを五感で感じることができます。そしてほかの住戸の入口の前を通らずに自分の住まいの玄関口まで足を運ぶことができます。集合住宅でありながら個別住宅の感覚があり、北斜面を活かし自然との融合の中で落ち着きた空気感を味わえるなど、随所に工夫がされています。駅から距離はありますが、このようなほかにはない先駆的なマンションを建てることで田園都市線そのもののブランド力を上げることができます。
 
▶確かに東急沿線はブランド力があり、安心・安全でお洒落な街というイメージがあります。
 
 東急電鉄は多様化する価値観やライフスタイル、ライフステージの変遷に対応する先駆的な住まいとサービスを創造することを目指しています。マンション担当をする中で、魅力ある街をつくるためには、魅力ある住まいと環境を作り上げていくこともポイントの1 つであることを学びました。そして念願かなって海外部の所属し、オーストラリアへ渡ったのです。西オーストラリアの首都パースの最北端約50 キロにあるヤンチェップ地区です。インド洋に13 キロ面し、不動産開発を目的に保有していた土地です。取得したのは1974(昭和49)年のことです。この地区は海に面した漁村です。伊勢海老が大漁に採れ、主にはアメリカに運ばれていました。日本で扱うにはあまりにも伊勢海老が大きすぎたようです。この街の開発を進めることになり、海を活かしてゴルフ場やヨットクラブの設置やイルカのショースタジアムを企画しました。40 年前のことです。ゴルフ場では野生のカンガルーが飛び出すなど、自然の中でゴルフをお楽しみいただけます。このように新たなレジャーや観光ポイントを作し、富裕層が集まれるステージを設けることで、ヤンチェップ地区に対する注目度とブランド力を高めていくためです。イルカはサンシャイン水族館の館長に掛け合い調達し、調教師は鴨川シーワールドの館長を通してそろえることができたのです。パースから50 キロの距離にあること、リゾートならではのスポーツや観光が楽しめる街に変えていくことで、人口も増えています。今ではさらに国際ブランドを醸成するために、インターナショナルキャンパスシティ構想が進められています。余談ですが南極船「しらせ」が南極に向かう前に寄港し、クリスマスパーティを行なったりもしています。また2012(平成24)、ベトナム・ビンズン省にて新たなガーデンシティの開発が始まりました。
 
▶漁村からブランド力のある街へに変わっていったのですね。その後、ヤンチェップ地区の開発の成功例を元に、海外の各地で積極的に進められています。基礎を作られた功績は大きいですね。ところで、地域開発におけるポイントは何ですか。
 
 観光や会議など集客力を得られる街であるか否かです。主要なポイントからの距離や環境など、さまざまな視点から調査をします。以前、東京・台場の案件もあったのですが、残念ながら他社に獲得されてしまい、結果的に横浜みなとみらい21 地区にホテル建築をすることになりました。先々のさまざまな計画を見る限り台場は集客力において可能性が十分にあるエリアであり、さまざまな開発を通して一層、集客力を高められることでしょう。まずは集客力を生み出せる街か否かです。
 
▶最後に次世代の皆様にひと言お願いいたします。
 
 これからますますグローバル化が進みます。サービス業に関わる方々にとって大切なことは“おもてなしの概念と気持ちと技術”だと思います。まずは人の話をちゃんと聞くこと、GM たちは指示をするだけでなはなく、成長するために改善点を見つけてあげることだと思います。お客さまもスタッフもストレスなく過ごすことができる環境を作り上げていくことが、地域開発同様、人々が集う場面で必要不可欠なことだと思います。

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