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第5回 ジャン・メデゥサン ニース料理のレシピ紹介 

第5回  ニースの街の転換期

【月刊HOTERES 2018年06月号】
2018年06月01日(金)
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 夏の海岸を頭に浮かべたところで、今月ご紹介するのは、ピクニックの定番料理にできる2 品、ピサラディエール「ピサラディエラ」とパン・バーニャ「パン・バーニャ」です。パン・バーニャは「濡らしたパン」という意味なのですが、もともとニース風サラダのことで、食べるだいぶ前に固くなった全粒粉パンを崩して入れたものが起源でした。このパンは、オイルとトマトの汁をたっぷりと吸い、サラダによく合うのです。今では、丸パンにニース風サラダの材料をはさんだサンドイッチとして知られ、便利でおいしい軽食です。ピサラディエールの方は、一種の玉ねぎのパイで、魚のピュレである「ピサラ」を塗ることからその名前がついています。温かいままでも冷めてもおいしく、簡単にできてこちらもピクニックにうってつけです。とはいうものの、一部の店で売られている出来合いのものには要注意です。本物のピサラディエールは、パイ生地の厚みの半分は、玉ねぎのスライスがのっていなければいけません。というわけで、玉ねぎを大量にスライスするという手間と時間はかかりますが、おいしく作るには欠かせない作業です。
 
 私がまだ10 代のころには、手づくりのパン・バーニャやピサラディエールを持って、家族でコート・ダジュールの、サン=ジャン=キャップ=フェラ Saint-Jean-Cap-Ferrat 半島など、美しい入江の海岸によく海水浴に出かけたものです。コート・ダジュールの中でもこの一角は、景観が保存されていて、豊かな自然、ターコイズ色の海、フランスのこの地方特有の瀟洒で贅ぜいたく沢な邸宅とが合わさって見事です。イギリスの俳優デヴィッド・ニーヴンやチャーリー・チャップリンはそうした邸宅の所有者であり、彼らのおかげで、コート・ダジュールのよそにはまねできないような今日の魅力がつくられているのです。

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