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第二十四回 関西国際大学 石川夕起子 バーチャルからリアルに 次世代を動かす「感動スイッチ」

第二十四回  やるべきことにムダなことは一切ないこと、すべてが将来のために必要であることを諭す

【月刊HOTERES 2018年02月号】
2018年02月23日(金)
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 母親の反対も押し切り保育士を目指していたのですが、2 年生のときにブライダルに転籍したいという思いが強くなり学校に相談した結果、ブライダルを担当していた私と出会うことになったのです。ブライダルに目覚めたのは結婚式に列席したときに、一組のカップルのために全員が全力で取り組んでいる姿に感動したことがきっかけでした。もちろん、そのほかにもさまざまな悩みや思いがあったのでしょうが、タイミング良く結婚式の場面に出会ったことにより感動スイッチが入ったことはまちがいありません。
 
 ブライダルの転籍を望んでいた彼に私は“なんで、強い意志を持って保育士の道を目指していたのにブライダルに転籍したいの?”“そんなに思いはあるのであれば、ブライダル業界のことは調べたの?”という問いを投げかけました。と同時に“まずは目指していた保育士の国家資格を取ることが大切。最近はお子様を連れた結婚式もあるから保育士の資格を持っていることにより、もっとお客さまによろこばれることができるよ”と、転籍をせずにまずは保育士の資格を修得することを第一というアドバイスをしました。その後、見事に保育士の資格を修得したことから、ブライダルの現場を学ぶために3 年生のインターンシップのときに沖縄のウエディング企業を勧めたのです。期間は1 カ月、その間はすべて自腹で生活をしなければなりません。その条件でも彼はインターンシップ生として沖縄へ飛んで行ったのです。
 
 沖縄の読谷で1カ月間の現場体験を終え、お世話になった方々に感謝の気持ちを込めて一人一人に手書きのイラストとメッセージを渡したそうです。するとその気持ちに対して、彼に皆さんの言葉を集めた寄せ書きが私宛に届いたのです。インターンシップ生がこのような寄せ書きをいただくことは初めてでしたので、私自身、本当に感激いたしました。転籍させずに保育士の国家資格もとり、そして望んでいたブライダルの現場に立つことができたこと、そして皆さんから感謝や応援のメッセージをいただけたこと、あのときのアドバイスはまちがっていなかったとホッとした次第です。
 
 沖縄での経験もあり、最終的には沖縄のウエディング企業に試験を受けて合格し、就職することになりました。現在、就職してから4 年目となりますがサービスのトップのポジションで活躍しています。保育士もしかり、ブライダル業界への道を反対されていた母親も今では息子の活躍を応援するにまでにいたりました。今後は視野を広げて世界を舞台に活躍していきたいという希望にあふれています。
 
 最近の子どもはフワフワしていて優柔不断で安定感がないと言う大人たちがいます。しかし彼のように今やるべきことは何か、やるべきことにムダなことは一切ないこと、すべてが将来のために必要であることを諭すと同時に、次につながるステージを大人たちが提供することにより、自身で道を切り開いていく力を持っています。次世代を築いていく若者たちの限りなき力をもっと信じてほしいと思います。

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