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第七回 島田 律子  伝統は“守る”のではなく“創る”もの 

第七回 (株)横浜君嶋屋 売れるか売れないかではなく「飲み続けられる酒」を基準に選ぶ

【週刊ホテルレストラン2017年12月22日号】
2017年12月22日(金)
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どんなに個性があってもいい
合わせる料理があれば価値が出る
 
君嶋 その経験が起点となって日本中の蔵元をまわるようになり、日本酒が好きになっていきました。ただ、商売としては、仕入れの最低ロットの30本を売り切るのは大変なことでした。「〆張鶴」も最初はまったく売れなくて、「1杯300 円」と書いた紙を飲み屋さんに張らせてもらって、ようやく少しずつ出るようになりました。認知度が上がって1カ月で30 本売れるようになったら次の酒という感じで、段階を踏みながら銘柄を増やしていったのです。銘酒辞典に載っている日本酒の銘柄に関する情報を丸暗記して、お客さまと会話ができるようにしました。
 
 実績のない私が店をやっていると改装費用を貸してもらうことができなかったのでボランタリー・チェーンに加盟して、半分を立ち飲み、半分を販売の形で店舗をリニューアルしました。あるときチェーンの先輩から「ワインも勉強しておいた方がいい」とアドバイスを受けて、ワインにも取り組むことになりました。
 
 それまで私は日本酒を酒だけで飲んでいました。合わせる料理のことも器のことも、まったく考えていませんでした。ところがワインを勉強するようになって、「日本酒は和食やだしによく合う」とようやく気づいたのです。酒だけでおいしいかおいしくないかを判断するのは間違いでした。
 
義田 ワインを勉強したからこそ、日本酒についても分かったことがあったのですね。
 
君嶋 「一杯ではなく、一本飲み続けられる酒」が必要だということが分かりました。例えば四合瓶があったら、2人で1本飲める酒がいいといった価値基準で日本酒を選ぶようになったのです。
 
 当時は新潟の酒がはやっている時代で、淡麗な酒ももちろんいいのですが、私としてはそれだけではないだろうという思いもありました。そこで芳醇でありながら決して重たくない酒を探していたところ、「義侠」に出会ったのです。はじめて「義侠」を飲んだときには、おいしいのかおいしくないのか分かりませんでしたが、この酒には自分が求めている何かがあるということだけは感じました。
 
島田 自分がいいと思える酒を集めていったのですから、君嶋さんには元来センスがあったのだと思います。
 
君嶋 自分にセンスがあるのかどうか定かではありませんが、とにかく「自分が一本飲み続けられる酒」をラインアップしていきました。「売れるか売れないか」という基準ではなかったことは確かです。
 
 個性が強い酒でもいいんです。老香、樽香、酸があっても、自分が飲み続けられるのであればそれでいい。どんなに個性があっても、そこに合わせることのできる料理があれば価値が出るのです。
 
=次回も、今回に続き君嶋哲至氏との鼎談をお届けします。※本連載は隔週連載です=

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